前回は、生成AIを用いたアイデア出しの方法についてご紹介しました。今回はその続編として、AIに提案されたアイデアをより実際の仕事で活用できる形に深掘りしていく方法をご紹介します。
具体例として、「卒業を祝う会」での卒業生に向けた学年の出し物について、アイデアの出し方からシナリオ・台本づくりまでを行う例をご紹介します。
まず、前回と同じ流れでAIに出し物のアイデアを出してもらいます。提案されたアイデアの中から一つを選んで、「1のアイデアを採用します。シナリオを考えてください」と指示します。すると、画像1のようにAIが指定されたアイデアに基づいてシナリオを考えてくれました。この時に、「感動的なシナリオ」や「笑いのあるシナリオ」など、具体的なリクエストをすることで、より希望に合った回答を得ることができます。
シナリオが完成した後、「このシナリオで1年生の子ども10人分の台本を作ってください」と指示すると、画像2のようにAIは子どもたちの人数に合わせて台本を作成してくれます。
後は、これをたたき台にして、実際のシナリオや台本を作ることで、負担を軽くして仕事を進めることができます。特に、Microsoft Copilotを使用する場合は、生成された文章の下にある下向き矢印のアイコンをクリックすれば、AIによって提案された台本をWordなどの形式で直接ダウンロードすることもできます。編集がよりしやすくなり、お勧めです。
もし、AIの提案に満足できない場合は、「やり直し」や「もっと楽しい感じで書き直して」といった指示を遠慮なく出しましょう。AIの強みは、疲れ知らずで幾らでもアイデアを生み出すことができる点にあります。人間のように気を遣う必要もなく、自分の希望に沿うまでとことんアイデアを練り直してもらえます。
今回ご紹介したAIのアイデア深掘り方法は、他の場面でも応用が可能です。例えば、新たに未経験の部活動顧問を務めることになった場合、まず「あなたは野球部の顧問です。中学1年生が上達するためにはどのような練習が必要ですか?」と指示してアイデア出しをしてもらい、次に「それらのアイデアをもとに、平日練習の練習プランを作成してください」と指示をすれば、練習メニューのたたき台を作成することもできます。
今回ご紹介したAIを使ったアイデア深掘りの方法は、日々の教育活動全般に応用可能です。AIの力を校務に活用することで、効率的に働くことができるのです。