エントリーに向けて―ランダムアドバイス 自己PRはどうまとめる 作成、提出における留意点

エントリーに向けて―ランダムアドバイス 自己PRはどうまとめる 作成、提出における留意点
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 自治体によっては、教員採用試験の実施要項の発表が始まった。また、教員採用試験の説明会を開催している自治体もある。受験のエントリーが間もなくということである。ここでは、エントリーに当たっての注意事項、工夫する点などをランダムにアドバイスしていく。

エントリーから教採試験が始まっている、と考える

 面接試験は、エントリーの際に各種の書類を提出したときから始まっている。これらの書類が受験者の印象を左右すると考えて書類を作成しなくてはならない。面接官はこれらの書類を見ながら質問事項を考えるのであるから、教職への熱意が伝わるような書類を作りたい。

提出書類は早めに準備

 実施要項に記載されている内容は、主に募集する校種・教科(科目)およびその採用見込み数、選考日及び選考方法、受験申し込み方法及び締切日、申し込みに関する注意事項、選考結果の発表、受験資格、提出書類、提出先など。じっくりと内容を読んで、日程、試験の内容、出願に当たってどのような書類を準備すればよいのか、などをきちんと確認したい。提出書類の中には、手続きから手元に届くまでに、3~4日あるいはもっと掛かるものもある。提出するときに「書類が揃っていない」などとならないよう、早めに準備が必要だ。また、出願の受け付け開始から締め切りまでが1週間、という短い期間の自治体もあるので注意だ。2次試験時に提出する書類もあるので、こちらもそれを見越して用意するようにしたい。

重要な志望理由

 提出書類の中で重要なのは、なぜ教師になりたいのか、教職への志望理由である。自己PRも重要。自分のどのような点が教師に向いているのか、また、学生時代に力を入れたことやボランティア活動、部・サークル活動、アルバイト、留学などの記録は自分自身をアピールするものとして重要である。

記入例を参考にする

 募集要項には、必要事項の記入例が付いている。事前に注意事項などをきちんと確認する。何を記入しなくてはならないのか、一つ一つの項目を丁寧に確認すること。内容を勘違いして記入してしまう、などのミスを防げる。全部記入が済んだら、記入例と再度照らし合わせて確認することが大事である。

教師としての人生経過を立てよう

 どのような教師になりたいのか、自分の理想の教師像についてはそれぞれが考えたことがあるだろう。エントリーを前に改めて教師としてどのような人生を送りたいのかを考えよう。「自分はどのような人生にしたくて、そのためにどのような教師になりたいのか」を考えておく。面接では、理想の教師像とともに、「あなたにとって教師として人生を送る意味は何ですか」などと問われることがある。面接対策としてもしっかりと取り組んでおきたい。

頑張ったことを書き出しておく

 自分の長所をあらかじめ知っておく必要がある。そのためには頑張ったことを書き出していくとよい。(1)ゼミで頑張ったこと(2)部・サークル活動で頑張ったこと(3)勉強・学習で頑張ったこと(4)アルバイトで頑張ったこと(5)スポーツ・趣味で頑張ったこと(6)資格などの取得(7)語学(8)日常生活での活動――などについてこれまで頑張ったことを書き出しておこう。ここから自分の強み、傾向などが具体的に見えてきて、よい点、長所などが分かりやすくなる。なお、エピソードは高校、大学時代を中心にする。

自己PRは頑張ったことのエピソードを

 自分のどのようなところが教師に向いているかなど自分の能力・資質を伝えるのが自己PRである。それは、成果や実績、体験などの具体例で伝えると面接官にも理解されやすい。頑張ったことのエピソードを伝えるのが効果的である。それは「頑張ることができる人物である」ということを面接官が感じ取ってくれるからである。「どんな工夫をしたのか」「どのように困難を乗り越えたのか」「どのように周囲の理解を得たのか」「どのように目標をクリアしたのか」「どのようなことが身に付いたのか」などを具体的にするとよい。

自己PRは立派なことでなくてもOK

 自分にはあまり人に自慢できるような立派なエピソードがない思う方もいるだろう。しかし、特に立派なエピソードでなくても大丈夫。例えば、アルバイトで物事がうまくいくよう自分なりに工夫してみた、そうしたら上司からも褒められた、で十分である。日常生活の何気ない一コマでもよい。例えば、「公園にゴミが落ちていたので積極的に拾った」「高齢者が横断歩道を渡るのをサポートした」などを挙げ、常に周りの人が気分よく生活できるように心掛けている人間であることを強調すればよいのである。それは教師にとって必要な行動であり、資質でもある。

失敗のない書類を作成するポイント

 提出書類を書くときの主な注意事項は、次の通り。

 ・書きたいことを列挙し、優先順位を付ける

 ・優先順位に従って文章を書く

 ・抽象的な表現、長くて複雑だったり冗長だったりする文章は避け、具体的で簡潔な文章に直す

 ・記入欄の大きさを意識し、文章を構成し、最も強調したい部分を中心にする

 ・文字の大きさを整え、文字列をそろえる

 ・誤字、脱字のないようにする

 ・ていねいに書く

 ・ペンで書く

 ・設問の意図をよく理解して的確に対応する

 ・回答様式を確認して、適切に書く

 ・句読点、止めなどに気を付ける

 ・語尾を統一する(敬体「~です」または常体「~である」のどちらかに)

 ・項目ごとの分量のバランスを取る

 提出の際は、内容や様式、提出期限を確認するとともに記載漏れがないかどうか、よくチェックする。願書の受付期間が短い自治体もあるので、十分注意したい。

講師経験のある人は面接で質問が多くなる

 教科指導の工夫や成果、および校務分掌の具体的な仕事内容や上司からの評価をまとめておく。集団面接などで、「その時、あなたはどういう考えでそのような指導をしたのか」などと一人だけ突っ込まれて質問されたりするので、あわてないようあらかじめ覚悟しておく。

見やすさ、分かりやすさを心掛ける

 エントリーシートは作文ではない。起承転結で書く必要はない。アピールポイントを見出しにするなどして先に書き、それからその説明を本文として簡潔に書く。結起承で書けばよい。すると読み手に分かりやすい文章となる。見出しを付けるとそれを読むだけでどのような内容が書いてあるのか分かりやすくなるので、自分でアピールしたいことを見出しにする。

 また自分が面接で聞いてもらいたいことを目立つように書く。質問を自分が話したいことに誘導するのである。

卒業論文への質問はテーマを書けばよい

 「卒業論文の題目を40字以内で書きなさい」などの質問項目があった際は、卒論を書く予定の場合はその題目・テーマを書けばよい。卒論を書かない場合は、「特になし」だけではなく大学で何を積極的に学んだか、自分が興味を持った内容は何か、などを簡潔に記す。

受験する自治体の「望ましい教師像」を押さえる

 それぞれの自治体では、「望ましい教師像」を設定している。例えばある県では、「人格的資質・情熱」「課題解決力」「授業力」の3要素を備えた人物として、(1)「人格的資質・情熱」は、教職員としての人格的資質や教職への情熱(2)「課題解決力」は、子供や社会の変化による課題の把握と解決のために必要な力(3)「授業力」とは、子供が自ら取り組む、分かりやすい授業の実践のために必要な力――などと説明している。これをきちんと押さえ、自分はこれらの資質・能力を備えた人物であることを具体的エピソードなどで強調したい。

エントリーは自分自身のプレゼンテーション

 エントリーシートの作成は、自分自身のプレゼンテーションであると理解するとよい。部活動や研究など学生時代に力を入れたこと、留学やボランティアの経験などを整理しておく。自己PRには、「自分が努力したこと、工夫したことなどを具体的なエピソードとともに述べる」「何をしたのかではなく、その経験から何を学んだのかを示す」などを軸に、自分がいかに教師に向いているかを示す。自分の経験や成果を述べ、そこから自分の資質・能力を示し、それらが教師という仕事に向いていることを分かりやすく述べたい。

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