このような声を若手教師からよく聞きます。では、どうしたら子どもたちを笑顔にすることができるのでしょうか。
教育アドバイザーである原坂一郎氏は、「子どもたちが先生のことを大好きならば、特に面白いことや楽しいことをしなくても、ただそばにいるだけで子どもたちは自然に笑顔になります」と言われています。好きな人と会うと、人は笑顔になるということです。確かにこのことは、人類にとって万国共通の黄金律です。担任のことが大好きならば、特に何かをしなくても子どもたちは笑顔になるのです。
この難しい問題に対する答えの一つが、前回お話しした「いつも楽しそうな教師でいる」ことです。いつもご機嫌で楽しそうな教師は、マイナスのオーラをまき散らすことがありません。そんな教師を子どもたちが嫌いになることはないでしょう。
そして、次に意識してほしいことが、「クラスの子どもたちを一人残らず好きになる」ことです。
「好かれるのを待つのではなく、子どもたちを先に好きになればいいのです。大好きになると、その言動の全てが『あなたを好きですよ』バージョンになり、その気持ちは必ず相手に伝わります。すると向こうも同じ気持ちになっていきます」
これも原坂氏の言葉です。難しいのが「一人残らず」というところです。実際、クラスの中には、波長の合わない子がいるかもしれません。でも、そこは頑張ってほしいと思っています。そう言う私も、実は最後の一人を好きになるまで2学期の途中までかかったことがあります。
若手教師に実際に話すときは、押し付けや自慢話にならないようにしなければいけません。「自分も2学期までかかったから、焦らずに好きになっていけばいいんですよ」と、「自分もできなかった」ことを強調して伝えることがポイントです。「上から目線」の度合いが少し薄れます。