第2回 クラス会議を始める前にやっておくとよいこと

第2回 クラス会議を始める前にやっておくとよいこと
【協賛企画】
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 前回はクラス会議を始める前にやっておくとよいこととして、たくさん遊ぶことをお勧めしました。たくさん遊ぶことでクラスの雰囲気が温かくなり、柔らかくなります。安心安全な空気感があることで、子どもたちは教室の中でパフォーマンスが発揮しやすくなります。

 なかなかクラス会議がうまくいきませんという相談の中で多いのが、「子どもたちが話を聞いたり伝えたりするのが下手で、うまく話し合えません」というものです。「話し合いをしましょう」といきなり先生から言われても、急にはできません。一輪車に乗ったことがないのに、いきなり「5㍍進みましょう」と言われてもできない人がほとんどでしょう。

 ですから、最初はペアでトークトレーニングをたくさんします。「犬とネコどちらが好きか1分間で話し合いましょう」や「目玉焼きにかける調味料は何が好き?」、「給食でどんなものでも食べられるなら何がいい?」など簡単なテーマで話し合いをします。

 できるだけ短い時間で、いろいろな相手と話し合う練習をするのです。徐々にテーマを難しくしていき、「自分と相手の共通点を3つ見つけて発表しよう」とか、話す人数を増やして4人グループで「無人島に連れていく動物を一つ選ぶ」とかいった合意形成が含まれるものに、お題を変えて取り組みます。1日5分でよいので、毎日行って話すことを習慣化していきます。

 話すことに慣れてきたら、話し合いの最後に「ハッピーサンキューナイス」を行うようにします。これはクラス会議を実際に始めるときにアイスブレイクとしてやるのですが、その日1日の間に起こったうれしかったこと、ありがとうと感じたこと、いいねと思ったことを全員で発表していきます。これもいきなり全員の前で発表するのはハードルが高いので、まずはペアで言う練習を行い、次に4人グループでといった形で徐々に人数を増やしていくのです。

 「ハッピーサンキューナイス」はアイスブレイクの意味合いだけでなく、毎日の生活の中にある「幸せを見つける目」を育てるという効果もあります。人の脳はネガティブを見つけるのが得意で、何もしないとどんどん不安に襲われて自分で自分を責める習性があります。

 意識的にポジティブを見つける癖を付けていくことで、自分がいかに幸せであるか気付くことができるようになります。それだけでなく、友達の良いところを見つける目も育てることができます。こちらもトークトレーニングと同じで、習慣化が大切です。

 毎日「ハッピーサンキューナイス」を続けることで、確実に教室の雰囲気が良くなっていきます。

 【クラス会議成立までのスモールステップ】

 その2 毎日ペアでトークトレーニングを行う。その中で「ハッピーサンキューナイス」も取り入れる。

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