第8回 心得④ 過去のイメージに固執しない

第8回 心得④ 過去のイメージに固執しない
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Z世代の学校あるある話も…


 本連載で以前、「自分たちの一般常識は、すでに『むかし、むかしのお話』であり、令和には令和の一般常識があるので気を付けてください」という話をしました。

 でも、「自分の普通」を「世間一般の普通」と思い込んでしまうことは、われわれ新人類世代だけの話ではありません。Z世代の若い先生にも同じことが言えるのです。

 よく考えてみると(よく考えなくても)、Z世代が体験した小学校生活は、すでに10年前の出来事です。つまり、Z世代の学校あるある話は、すでに時代遅れになっている場合があるということです。

 ただ、同じ職場の人間から「あんたのやり方は古いんや」と指摘されることは、若い世代でなくても傷つきます。良い気分ではいられません。そこで、間接的な方法を取ることになります。

横から目線で指導する

 まず、何気ない感じで教室を見に行きます。ここで気を付けることは、担任ではなく子どもを見ながら教室に入ることです。このとき、視線が教師の方を向いていると、「授業を査定しに来ました」という雰囲気が強くなります。「子どもの様子を見に来ました。子どもにちょっかいをかけるために教室に入りました」という空気を醸し出すことで、見られる側の緊張感を少し減らすことができます。

 そして、その時に一問一答式の古臭い授業をしているなと感じたら、放課後、隣のクラスの先生に次のように話し掛けます。

 「今日、たまたま成田先生の授業を見たんですが、自分が子どもの頃に受けた授業をそのまま再現しているような感じの昔ながらの一問一答式の授業でした。今度、先生の授業を見せてあげてくれませんか。クラスの子ども同士が関わり合う先生の授業を見たら、とても勉強になると思うので」

 若い先生にも次のように話し掛けます。

 「隣のクラスの渡辺先生の授業、面白いですよ。グループ学習をうまく取り入れて、子どもたちが生き生きと授業に取り組んでいるんです。今度、図工の空き時間にでも見に行ったらどうですか。1年目の今だったら、遠慮なく見せてもらえるはずだから、この時期を逃すことはありません。とても勉強になると思いますよ」

 このように、学年の先生も巻き込んでいきます。トップダウンではなく、横からの視点で指摘していくのです。若い先生の力量アップだけでなく、同時にミドルリーダーの育成にもつながります。

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