今回はいよいよ議題(お悩み)解決になります。
クラス会議と学級会との大きな違いは、個人的な悩みを相談できるかどうかです。学級会は基本的にクラス全体のことを話し合いますが、クラス会議では個人的な家庭の悩みなども相談できます。いきなり子どもたちに「相談したいことを言ってね」と話しても出てきません。なので最初は、先生が個人的に困っていることを相談するとよいでしょう。例えば、「夜眠れなくて困っている」とか「痩せたいけど食べてしまう」とかいった個人的な悩みを相談することから始めます。
<クラス会議の流れ>
①議題(悩み)の提案
②相談者に質問
③解決策をブレスト(意見をたくさん出す)
④相談者が解決策を決める
<先生(T)と子ども(S)の会話例>
T:最近お腹が出てきてさ。痩せたいんだけど、すぐラーメンとか食べちゃうんだよね。
S:何㌔痩せたいの?
T:5㌔痩せれたらうれしいな。
S:そのために運動したりしてる?
T:たまにサッカーしたり、ゴルフしたり。
S:それじゃあ無理だよ。うちの父さんは毎朝走ってるよ。走ったりしないの?
T:走るのは苦手なんだよね。
S:ご飯とか気を付けてる?
T:一応気を付けてはいるけど、油断するとラーメン食べちゃう。
こんな感じで話を進めていきます。その後、「じゃあ、みんなで解決策を出してね」と言って、トーキングスティック(ぬいぐるみ)を回して、一人ずつアイデアを出してもらいます。
この中で、自分ができそうなものを選んで決定します。例えば、「毎日体重計に乗る」に決まったら、毎日体重計に乗り、可能であれば自分の体重を子どもたちに報告します。そうすることで、痩せるという個人的な目標に対し、クラスの子どもたちみんなが伴走してくれる状態になるのです。一人でやるよりも確実に効果が上がります。手を抜いたりサボったりすると、子どもたちから容赦なくツッコミが入るからです。
1週間後にどれだけ変化があったのかを報告をします。痩せたのであれば、「○㌔痩せたよ」と言えばいいですし、痩せなかったのであれば、その理由を報告します。とにかく途中経過も含めた変容を伝えていくのです。
クラス会議は自己開示を促す営みになります。教員が弱い部分を見せることで、子どもも自分の苦手なことや困っていることを開示しやすくなります。そのためにも、まずは自分が子どもたちを信じて、どんどん自己開示していきましょう。
【クラス会議成立までのスモールステップ】
その6 教員が自分の苦手を自己開示しよう。「先生は〇〇が苦手でね」という話を積極的にしてみよう。