論作文ラストスパート 合格を目指すために 攻略するポイントは

論作文ラストスパート 合格を目指すために 攻略するポイントは
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 新年度を迎え、今夏の教員採用試験の本番まで間もなくとなった。ここでは、ぜひ身に付けておきたい論作文のポイントを紹介する。合格を目指したHowtoを押さえ、論作文を乗り切ろう。

1.受けの良い論を述べようとするのではなく、自分の意見をきちんと述べる

 自分をよく見せようとすると、語るべきものから目をそらし、結局、すぐに行き詰まるような論文になってしまう。そこで、論文を書くときは、姿勢を正してみよう。子供たちのために、自分なら一体何ができるのか、本当にしたいことは何か、それを素直に語ってみるとよい。論作文を書くというのは、テストに正解を書くのとは違う。正解などはどこにもない。自分自身が求め続けることでしかない。その姿勢があれば、遺文らしい論文が書ける。

2.論理的に展開され、結論に至る文章を構成する

 問題意識を持って広く教育を観察し、解決を目指すための意見を示したものが、教育の論作文である。自分を最大限アピールし、採点官に「この人物なら子供たちを任せてもよい」と思わせるようにしたい。そのためには①自分の意見をきちんと述べる②筋道を立てて書く③視野の広さ、理解の深さを示す――などがポイントとなる。論作文に求められるのは、知識の量ではなく、設問を素早く正しく理解し、即応できる能力である。

3.文章は見えるように書く

 ぱっと見て、ぱっと分かるように書く。なるべく大きな字で、段落もきちんと分けて、箇条書きも取り入れて、一文を短く切って書く。絶対にやってはいけないのが、最初から最後まで段落もなくびっしりと細かい字で埋め尽くす書き方である。

4.練習では考えてから書くのではなく、書いてから考えよう

 論作文の練習では、まずは、とにかく書いてみること。次に形を整える。段落取り、単文・短文化、箇条書き、といった形を整える。それから内容を整える。抽象論や美辞麗句、あるいは熱意の空回りになっていないか、具体的な話で書いているか、などをチェック。論作文は、多くのことを書くのではなく、削って、削って、1つのテーマで書くようにする。同じテーマで何度も書き直す。すると、どんなテーマでも書けるようになる。

5.採点官の目をどのように引くか

 採点官がみるのは何か。それは正解を書けるかどうかではない。指導を具体的に考えられるかどうかである。そこで文章の冒頭から、実践の話に入ろう。それも正解である必要はない。こんな実践をやってみたいという強い思いを伝えたい。逆に、絶対にやってはならないのは、現在の社会や教育の状況を憂えることと、自分自身がその状況を変えてみせるなどという無理な意気込みをみせることである。自分でできる限りのことに関する意欲と努力を示すことで十分である。

6.単文と短文で分かりやすい文章を心掛ける

 「一文一意」が分かりやすい文章の大原則である。1つの文章に複数の内容を盛り込まないようにする。さらに言うと、「一行一事」となる。「一文一意」にして、一行で1つの文章を終わらせるのである。これは結構難しいが、一文を一行で終わらせるには、単文、さらに短文にすることである。練習してみよう。

7.一文の中で同じ言葉が重複しないようにする

 「重複禁止」は、1つの文に2つ以上同じ言葉を入れない、どうしても必要なときは、2つに分ける、ということもある。くどくて分かりにくい文章は、言葉を重複して用いている場合が多い。分かりやすい文章にするには、①その重複がなぜ起こったのか考える②不要な場合は片方を削除する③少し違った意味で使っているときは、どちらかを適切な言葉に置き換える④どちらも必要な場合はその文章を分割して重複を避ける――という手順で対応する。

8.本論では体験を基にした実践例を

 教員に求められるものは、知的な資質・能力だけではない。子供たちのために努力する姿、困難に果敢に立ち向かう姿など豊かな人間性が求められる。本論では体験に基づいた実践例を挙げることが望ましい。教育実習や講師の体験から学習指導や生徒指導など子供たちと触れ合った体験が示されると説得力が増す。

9.結びでは主張などを適切にまとめる

 設問で示されたか課題や問題に対して、結びでは自らの主張や意見をきちんと明快にまとめる。このような教育、実践をすれば子供をしっかりと育めるという提案をしたい。さらに、教員としての決意や抱負などを示し、採点官に熱意を感じてもらうようにしたい。

10.しつこく通読する

 論作文を書く能力で絶対に必要なのが、「しつこさ」である。しつこく何度も頭から読んでみて、主に文章と表記の2つの視点で見直すとよい。文体が統一されているか、筋が通っているか、主語と述語は合っているか、長い文章はないか、修飾語と修飾される語とが離れていないか、用語の使い方が適切か、誤字脱字はないか、などを「しつこく」見直したい。これが一番大切である。

 練習はパソコンで作成してもいいが、見直しの際はプリントアウトして見直しをした方がよい。ディスプレーを見ているだけでは問題点は見つかりにくいからである。試験本番では、終了前の最後の5分間を見直しの時間とする。

 

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