ゲームやスマホは悪ではありません。もはやスマホはインフラ化しています。ということは「いかに排除するか」「制限するか」の戦いには終わりが来ます。現に親が高校卒業までスマホやゲームの時間を制限し、明確に管理していたのに、大学生になってゲーム漬けになってしまうようなケースもたくさんあります。ということは、「いかに共存するか」という路線に行かざるを得ないのが現在の状況です。
とはいえ、電車に乗れば乗客のほとんどがスマホにくぎ付けです。大人だって手放せないのです。「自分は上手にスマホと共存できているぞ」という大人は何人いるでしょうか。大人でさえコントロールが難しいスマホ(ゲームも含めてこれ以降はスマホと記述します)との付き合い方を子どもにどう教えていけばよいのでしょうか。
子どもとスマホの付き合い方は、発達年齢に大きな影響を受けます。衝動をコントロールする力は小学1年生では、かなり弱いのが現状です。成長が早い子どもで小学3年生ごろから徐々に「宿題を先に済ませてからスマホをしよう」と、ご褒美を先延ばすコントロール力が付くようになります。ですから、低学年のうちは保護者が使用時間を制限する「補助」が必要となります。
ここで「補助」と書いたのは、一方的に親が制限を加えるのではなく、あくまで子ども自身に「コントロールの必要があること」を理解させ、子ども自身が「コントロールしよう」と試みるようにさせてほしいからです。具体的に「スマホに触っていいのはリビングで、19時まで」などのルールを明確に決めておきます。それを過ぎても触ろうとしたら保護者が声を掛けたり、取り上げたりするなどしてルールの順守を支えます。
小学4年生を過ぎると、子どもの衝動コントロール力はかなり付いてきます。改めて「自分にとってスマホを制限するのはどういう理由からだろう」と親子で話してみるのもよいでしょう。わが家では、パソコンを保育園年長の時に与え、その後小学3年時にスマホを与えました。もともと読書とサッカーとプログラミング、自由研究が好きな子どもだったので、「今、無制限にスマホを触ると、これらの素晴らしい時間がネットサーフィンなどのコンテンツ消費行動に置き換えられてしまうだろう。それはもったいない」と家族会議をしました。わが子は納得してルールを守ることになりました。ご参考になれば幸いです。