質の高い教員の確保策を議論している自民党の特命委員会(委員長・渡海紀三朗政調会長)は近く、2025年度の予算編成に向け、教員の「働き方改革」や待遇改善を確実に進めるよう求める緊急決議を取りまとめる。給特法に基づいて公立校の教員に支給している「教職調整額」を月額給与の10%以上の水準に引き上げるなどの待遇改善策について、「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)に明記するよう政府に要求する。
特命委は萩生田光一前政調会長が主導する形で設置され、昨年5月、現行は月給の4%とされている教職調整額を同10%以上に引き上げるなど、抜本的な待遇改善に取り組むよう提言した。中教審の特別部会が5月13日に示した審議まとめにも、同様の内容が盛り込まれており、文部科学省は25年度の予算編成に向けた概算要求で、給特法の改正を前提とした教職調整額の引き上げを求める公算が大きい。
自民党関係者によると、緊急決議はこうした待遇改善だけではなく、働き方改革の加速化や学校の指導・運営体制の充実、教員の育成支援にも一体的に取り組むよう求める。具体的には、昨年5月の提言や中教審の審議まとめを踏まえ、▽働き方改革の「見える化」やPDCAサイクルの強化▽教員が担う業務の見直し▽新たな職階や級の創設▽学級担任を対象とした手当の加算▽小学校の教科担任制の更なる拡大▽支援スタッフの配置拡充――などを盛り込む方向で調整している。また、24年度の予算編成の課程でいったん見送られた管理職手当や主任手当の増額についても、「不退転の決意で進める」ことを要求する。
自民党は17日に特命委を開催し、決議の取りまとめに向けた詰めの議論を行う。