あと2カ月でできること 本番の条件で練習する

あと2カ月でできること 本番の条件で練習する
iStock.cpm/maroke
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 5月も後半になった。教員採用試験本番まであと2カ月を切った。準備が思うように進まず焦っている方もいるであろう。残りのわずかな期間に取り組むべきこと、さらに不安を取り除いて試験当日に実力をきちんと発揮できるようにするにはどのようにしたらよいか、などについて見てみよう。

出願を手抜かりなく行う

 教員採用試験の1次試験は7月に行われるので、残りの準備期間は2カ月に満たないのである。教員採用試験を実施する自治体は、5~6月に願書受け付けをするところが多い。実施要項は多くの自治体が配布を始めており、現在願書受け付け中である自治体も少なくない。

 すでに出願を済ましている受験者もいるだろうし、もしくは提出書類の用意および最終チェックの段階であると思う。願書配布や受け付け期間が短い自治体もあるので、よもやのことがないようにきちんと確認して対応してもらいたい。特に複数の自治体に併願する場合は、今後の試験日程などを正確につかんでおかなくてはならない(自治体ごとの要項配布期間や願書受け付け期間は、必ず各自で確認のこと)。

本番の条件で練習に取り組む

 この2カ月に取り組むべき最終的な準備は、次のようにまとめておいた。

ラスト2カ月で取り組むこと

○教育時事=今年3月までの重要時事を総まとめする。

○教職・一般・専門教養=総まとめを行い、不得意分野を克服するようにする。

○論作文=受験をする自治体の試験時間に合わせて書く練習をする。大学の教官、臨時採用での勤務校の先輩教師に見てもらおう。

○面接=志望者仲間と練習を繰り返す。模擬授業や場面指導を想定して練習する。教育実習先でも指導教官に見てもらおう。

○実技=短期間に集中して練習しよう。 

 筆記試験に関しては、とにかく不得意分野を克服することに力を入れたい。1冊の問題集に徹底的に取り組むことも有効だろう。最近は時事問題の比率を高める自治体が多くなってきているので、十分な対策が必要だ。特に学習指導要領については変更点やその狙いなどをきちんと押さえることが必須である。

 実技は、短期間に集中的に練習するとよいだろう。小学校の体育や音楽の実技は、基本的な技術、正確さなどが求められる。中高校の実技は、基本的な技術に加え、応用が求められるので、そのつもりでの練習が必要である。

 論作文は、受験先の制限時間、制限字数に合わせて書く練習が効果的だ。面接も模擬授業や場面指導など具体的な場面を想定しての最終練習に入りたい。論作文も面接も、教育実習先の指導教官、臨時採用勤務校の管理職や先輩教師などで協力してくれるような方がいたら、見てもらうなどして積極的にアドバイスをもらうようにしたい。 

今日から実践することで

 以下のことを実践すると、本番の様子が見えてくるので、ぜひ取り組んでもらいたい。

◎相手を意識して声を出す訓練。椅子に腰を下ろし、鏡の前で行う

 (1)正面を向き、背筋を伸ばし、膝に手を置く。30分近く姿勢を崩さない。

 (2)受験する自治体の求める教師像・教育施策をゆっくり読む。次に、同じ文を誰かに話すつもりで、テンポや、間の取り方などを工夫して読む(話す)。

 (3)定番の質問(面接の極意参照)には想定問題集を作り、声に出して言う。声に出すと無駄の多い表現がチェックしやすい。回答が長くなる時は「2点あります。1点目は~」と言う。30秒以内が目安。

◎知人や上司にお願いして面接練習をする

 練習では作成したエントリーシートのコピーをとっておき、それを知人(上司や友人など)と普段あまり接触のない他人に読んでもらい、その内容をもとに質問してもらう。エントリーシートの内容についての質問への回答は文章に書き出す。書いた文章を話し言葉に変えて、声に出す。何回か、試してみて、滑らかに話せる言葉を回答とし覚えておく。

 練習では、次の点を評価してもらう

 (1)視線。相手の目に視線を合わせて回答する。それ以外は、両目の目尻と鼻の中間を結んだ三角ゾーンをソフトに見る。上目遣い、見下ろすような視線はNG

 (2)正しい言葉遣い。「A小学校に勤めさせて頂いております↓勤めています」

 面接官は昭和生まれ。難語・タメ語は禁止。「しかし」「でも」も不要。

 (3)回答は、簡潔明瞭で端的に。例や解説は求められない限り言わない。

◎「自分への質問」で心構えをつくる

 試験本番はどうしても緊張してしまうもの。試験本番に備えて、不安や緊張を切り替えて、実力を出し切るためにはどうしたらよいか。

 自分に質問することで気持ちを切り替える、という方法がよい。質問は、意識の方向を切り替えて、感情も切り替えることができる。さまざまな場面で自分にとって効果的に状態を切り替える質問を用いて、ベストコンディションに切り替えて試験に臨んでみよう。

 具体形にどのような質問をすればいいのか、試験前の期間を区切って、効果的な質問例をあげてもらった。主な質問は次の通りである。

[試験1カ月~数日前]

 ・試験までにやるべきことで優先順位が高いものは何か

 ・試験のために今から習慣付けておいた方がいいことは何か

 ・万全な体調で試験に臨むためにしておくべきことは何か

[試験前日]

 ・明日をベストコンディションで迎えるために今できることは何か

 ・明日のために今できる準備は何か

 ・明日の試験がうまくいく理由を見つけるとしたら

[試験当日]

 ・今ベストをつくすために何に注意すべきか

 ・試験を成功させるために今できることは何か

 ・どの問題から始めると効果的か

 ・試験が終わったら何をしたいか

 本番まであと2カ月、ラストスパートをかけてもらいたい。

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