直前対策 論作文のポイント 体験に基づく論述を

直前対策 論作文のポイント 体験に基づく論述を
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 7月になり、採用試験の本番を迎えている。今年度は、文部科学省の要望などから1次試験を6月に前倒しして実施する自治体もあったが、7月実施もまだ少なくはない。ここでは、2次試験の直前対策として、他と差をつける論作文のポイントを紹介しよう。

教育時事の理解をしっかりと

 教育時事については、知っているかどうかということがまず必ず問われる。調査結果などの場合、細かい数字はともかくとして、全体的な傾向や課題などについてはしっかりと理解しておくことが大切だ。

 また、内容や背景だけではなく、専門家の論評などにも、代表的なものだけでよいから目を通しておきたい。識者はどうそれを捉えているか、またどのような課題や問題、疑問がもたれているか、といったような情報を押さえておくと幅のある論文を書くことができる。

自分なりの考えをまとめる

 理解するといっても、ただ漫然と「そういうことか」といったような把握をするだけでは不十分だ。その課題について、論点を整理し、その課題について自分なりの考えを持つことが大切。

 論作文を書くときは、これまでの自分なりの体験、例えば教育実習や学校ボランティアなどの体験を踏まえ、その課題に対する自分なりの提言、自分が教師になったらこのような取り組みをしたい、などと具体策を述べることだ。自分なりの言葉でしっかりと語り、まとめたい。

論作文で読み手の心を動かすには

 論作文の一つのポイントは、実践をどれくらい持っているか、また、その実践を課題に合わせて的確かつ効果的に、論述の中に取り入れられるかということだ。書き手の体験と、その体験をどのように自分のものとして整理し、蓄積しているかが鍵である。直前の対策として、しっかりと自分の体験をまとめておこう。

 採点官は、課題の要因、背景などについては十分に理解している。採点官が読みたいのは、どのように課題を受け止め、それに対してどのように対応していくかという点である。換言すれば、具体的な体験に基づかない論述は、採点官の心に響いてこないということだ。

一貫とした流れが重要である

 初めからまとめまで一貫した流れで表現されている論作文は、評価が高い。初めの主張が途中で消えてしまい、まとめでは初めの考えと異なった主張になってしまっているという逆のパターンの論作文が少なくない。

 こうしたことを防ぐためには、課題を読んですぐに書き始めるのではなく、まずは構想を練ろう。どのような内容で書き始めるか、主たる論述ではどのような具体的な活動や体験を、どのような主張とともに表現していくか、まとめではどのように自分の意思や意欲、教職への熱い思いを伝えるか、といった点について、しっかりと押さえておくことが必要である。

熱い思いを伝えることが最重要

 採点官の心を捉える論述に共通していることは、子供たちへの思いや、教育に対する熱い思いが語られており、加えてその思いが読み手に伝わってくるということである。文章のまとまりという側面も大切ではあるが、最も大切なのは教職への熱い思いがしっかりと表現されているということである。

 教職への熱い思いを表現するためには、論述の技術を身に付けるとともに、内面的な心の在り方が重要なポイントとなってくる。そこで留意したいことは、文末の表現に気を付けることだ。「・・・と思われる」「であると考えられる」といった表現では、思いは伝わってこない。「・・・に取り組みたい」という表現を用いて思いをしっかりと表現し、自信を持って熱い思いを伝えていくことが大切である。

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