Aに注意したら「何で僕だけ。BもCやっているよ。どうして僕だけ注意されるの」と言われました。どのように指導しますか。実際にやってみてください。
君だけに注意しているのではない。BもCにも君と同じように話をするよ。私が君に考えてほしいのは、今の君の考え方なのだ。君がしたことはどうなの。絶対にしてはいけないことだと思っているの。誰がやったからとか、みんなやっているからとか、見つからなければいいとかではない。まさか、見つかってしまって運が悪かったではないよね。君の今の正直な気持ちを聞かせてほしいのだよ。しっかり自分の心に問い直してほしいのだ。他の人のことは関係ない。君自身の問題なのだ。
【コメント】
場面指導の問題です。毅然(きぜん)とした態度で児童・生徒に語り掛けて、問題の核心を捉えています。まず、公平に扱っていることを知らせて、やってはいけないことをしたから注意されたのだという点を押さえて指導しています。
最も大切な自分自身のことで他の人とは関係のないこと、先生に見つかったから運が悪かったというような考えはよくないことを押さえた回答になっています。
他の人のことを聞いているのではない。君はどうなのだ。やっていることをどう思っているのかね。やってはいけないことをしているから注意をしているのだよ。だから話を聞いているのだ。どうしてこんなことをしたのかね。君は本当に悪いことをしたという気持ちがあるの。よく考えてみるのだ。
【コメント】
Aは自分だけという不公平感を持っていますので、まずそれを除く指導が必要です。悪いことをしたという点だけを強調してもなかなか相手の心には届きません。
さらに、この問題で一番重要なことが指導されていません。誰がやったから、みんなやっているからではなく、自分自身はどう思ってやったのかを考え直させる指導が抜けています。これでは、「先生に見つかってしまって注意されてしまった。運が悪かった。見つからないやつは得をしたな」という考えで終わってしまいます。
人が見ているからやらない、見ていなければいい、というような考えはよくないことを指導しなくてはいけません。