(鉄筆)「子どもの権利」学校アンケート

(鉄筆)「子どもの権利」学校アンケート
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 日本ユニセフ協会が行った「『子どもの権利』学校アンケート 令和5年度パイロット調査」で、小中学生と教師で認識に差があることが本紙7月11日号で報じられた。

 調査では、「体の健康」「心の健康」「学校での学び」「安心な環境」「意見表明」「子どもの権利」の6つの分野について各2問ずつ子どもと教師に質問、各質問は1「そう思わない」から5「そう思う」までの5段階で回答する。

 この結果、「体の健康」「学校での学び」「子どもの権利」については、子どもの方が教師より統計的に有意に値が高かった。竹内和雄兵庫県立大学教授は、この教師より子どもが有意に値が高かったことについて、3つの要因を予想。1番目は学校教育の努力の結果、子どもたちが自分たちの権利が守られていると感じていること、2番目は子どもの権利についての教師の学びが進んだこと、3番目は子どもが自分たちの権利を十分に理解できていないことで、3番目が大きいとした。

 結果を教師は真摯に受け止める必要があるのではないか。例えば、学校評価の学校関係者アンケートで、子どもが教師の指導について肯定的な評価をすると、教師は「自分たちのこれまでの指導がよかった」と解釈しがちだ。実際は子どもが真によい指導というものを知らないために、このような結果になっている可能性もある。

 指標を明確にして、教育の成果を可視化することは大切ではあるが、解釈の仕方によって大きな違いが出ることがある。教師には、確証バイアスに陥らないようにすることが求められる。

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