自己PRは今から準備 ポジティブに捉えよう

自己PRは今から準備 ポジティブに捉えよう
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 来夏の教採試験に向けて自己PRを早めに考えよう――。面接試験でよく聞かれる自己PR。これを考えることは、日々の生活、勉強、部活動、アルバイトなど自己のこれまでの取り組みを総合的に振り返ることになり、これまで気付けていなかった自分の長所や魅力などを発見することがあるからだ。早めに自己PR対策に取り組みたい。

アピールが大事

 「それでは、まず3分程度で自己PRを行ってください」――。

 面接の冒頭、面接官からそのように指示されることは珍しいことではない。この自己PRをスムーズに行うことができれば、自分の気持ちも落ち着き、その後の面説をリラックスして対応することができる。さらに、面接官からも高く評価される。最初にいい印象を与えるというのは、とても大事である。

 自己PRでよくやってしまう失敗に、「単なる自己紹介」に終わってしまうというのがある。「高校では〇〇部に所属していました」「大学ではこのようなことに力を入れました」「こんなアルバイトをしています」などのように自分の経歴を並べ立てる、というものだ。これは事実を述べただけで、PRにはならない。PRというからには、「売り込み」が必要だ。アピールして売り込むからこそ、面接官の心を捉えるのである。

しっかりと自己分析を

 エントリーの際、自己PR文や自己推薦書の低出が求められるケースもある。これらは面接の資料ともなるので、きちんと考えて記しておきたい。だからこそ、自己PRには早くから取り組み、しっかりした準備が必要となる。最も大切な準備は、自己の分析である。自己の性格の特徴、教職への志望理由、学生時代に力を注いだこと、教育実習ができた場合はそこで学んだことなどをしっかり考えよう。これらを軸に自分の体験などを分析していけばよい。

「私は〇〇である」で書いていく

 自分自身をできるだけ客観的に正確に分析することが求められる。そのためにはどうすればよいか。一つの方法としては、「私は」で始まる文を書いていくという手法がある。「私は身体を動かすのが好き」「私は人と話すのが好き」「私は水泳が得意」「私は野球が好き」「私は料理が好き」「私は姉や弟と仲がよい」「私は慎重な性格である」「私は英会話ができる」のように、である。

 これに取り組むと初めはたくさん思い付き、すらすら書いていけるが、そのうちよく考えないと書けなくなる。しかし、このようにすると改めて自分のことがよく分かるし、かなり内面的なことも浮き彫りにすることができるようになるのである。

 書いた内容にはネガティブな、否定的な内容である場合が少なくないことに気付かされる。自分の弱い部分、駄目な部分は自分が一番知っているからである。ネガティブな内容は放っておかないで、ポジティブな、肯定的な内容に書き換えるとよい。例えば、「私は優柔不断である」は「私は慎重である」、「私は諦めが早い」は「私は結論を出すのが早い」、「私は短気である」は「私は行動に移すのが早い」などである。つまり、自分の特徴をポジティブな言葉で表現し直すということである。

「学校教育に役立つ」という視点

 分析ができたら、今度はそれぞれの内容を具体的な成果、体験、エピソードで語れるようにしていく。「私は慎重である」だけでは抽象的で説得力がない。慎重に考えて成果を上げた具体例を出すと説得力が高まり、効果的である。

 大切なのは、「学校教育にどのように役立てることができるか」という点を盛り込むことである。例えば、「合唱部で全国大会に出場した」のであれば、全員で協力することの大切さを実感した、寝る間も惜しんで練習に励み歌唱技術を向上させた、などの体験から学校教育に生かせる何かを学んだはずである。それをしっかりとPRに盛り込みたい。

特別でなくてもよい

 「人に自慢できるものはないなあ」という方もいるかもしれない。特別なことでなくてもよい。アルバイト、サークル、趣味などで工夫した点、努力した点でよいのである。工夫や努力ができる人物である、ということを示せればよい。それが教員として大事な点であると面接官は分かるはずである。

 このようにして考えた自己PRは、1分バージョン、3分バージョンなど複数パターンを用意し、必ず原稿として作り上げ、プリントアウトしておく。できるだけ暗記してスムーズに話せるよう、練習を繰り返す。棒読みではなく、多少感情を込めて抑揚を付けることが大事である。

 このように自己分析から始めてPRの文を作り、暗記して、情感豊かに話す、かなり時間のかかる作業と言ってよい。だからこそ、早めに、今から始めることをお勧めするのである。

第3者に見てもらおう

 自己PRを暗記しスムーズに話せるようになったら、友人でも、家族でも、受験者仲間でもよいから見てもらうようにする。他人の印象は違うかもしれないので率直な意見を出してもらい、内容や話し方を改良していくとよいだろう。また、内容、話し方ともに求められるのは、若さ、明るさ、はつらつさなどであるので、心して対応しよう。

 

自己PRをまとめるためのポイント

・自分の性格はどのような特徴をもっているか

・自分は友人からどのように見られているか

・学生時代に力を注いだ学科、科目、分野は

・大学のゼミ、卒論などで学んだことは

・アルバイト、ボランティア、留学などで学んだことは(印象に残ったことは)

・サークル活動、資格取得、コンテストなどで力を入れたことは

・理想とする教員像は

・教育実習、学校ボランティアで学んだことは(印象に残ったことは)

・教職の臨時採用で学んだことは(印象に残ったことは)

・(社会人経験者は)勤務経験で学んだことは

・感銘を受けた本、映画などは

・現在、最も関心のあることは

・趣味、特技は(好きなスポーツなども)

・(教職以外で)取得している資格、技能と取得動機

・教職に対する自分のセールス・ポイントは

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