各学校で教育課程を編成するに際しては、1年間の授業日と授業時数をあらかじめ計画することが前提となる。1年間の授業日と週数が明らかになれば、それに基づいて各教科などの授業時数を配当し時間割を作成することが可能になる。
学校の授業日は、法令で休業日を指定することにより、その他の日を授業日とする仕組みとなっている。学校教育法施行規則第61条では、公立学校の休業日について次の3点を示している。「国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する日」「日曜日及び土曜日」「学校教育法施行令第二十九条第一項の規定により教育委員会が定める日」。
まず、祝日と日曜日、土曜日は休日で授業日に含めない。次に3つ目の「学校教育法施行令第二十九条第一項の規定」とは、公立学校の学期、夏季・冬季などの休業日は、教育委員会が定めるとの趣旨である。
この規定を受けて各教育委員会では、学校管理規則において学年および各学期の始まりの日、終わりの日を定めている。3学期制を採るか2学期制を採るかは、この規則によることになる。また、夏季・冬季・春季などの休業日を定めている。これら以外に、都道府県民の日を休日とする自治体もある。なお、私立学校の場合は、当該学校の学則で定める。これらの規定を適用することによって、1年間の授業日が確定することになる。
授業時数については、学校教育法施行規則の「別表第一」(小学校)、「別表第二」(中学校)において、各教科等別及び各学年の総授業時数が示されている。ここで注意すべきは、第一に、示されている授業時数は「標準」とされていることである。「標準」の意味は、各教科等の指導に必要な時間を実質的に確保するとの意味であり、児童生徒の負担加重にならない限度でこの時数を上回ることが可能である。
一方、「標準」には災害や流行性疾患などによって授業時数を下回った場合、そのことをもって学校教育法施行規則に反するものとはしないとの趣旨も含まれている。
第二に、この表に示されている特別活動の授業時数は学級活動の時数であり、学級活動以外の児童会活動、生徒会活動、クラブ活動、学校行事の授業時数は、各学校で設定する。
第三にこの表に示されている各教科等の授業時数は年間35週以上の授業を行うことを前提に設定されていることである。この「年間35週以上」の規定は、学習指導要領の総則「第2」「3」に示されている。「別表第一」、「別表第二」の学年の総授業時数を見ると、小学校4学年~中学校3学年までは、1015時間となっており、1015時間を35週で割ると、週当たり29単位時間の授業が行われる計算になる。
文部科学省が実施した「教育課程の編成・実施状況調査(2022年度)」によると、計画段階の授業日数は、小学校5年201・8日、中学校2年201・9日となっている。年間総授業時数は、計画段階で小学校5年1078・3単位時間、中学校2年1073・9単位時間となっており、標準時数を上回った授業が計画されていることが分かる。