【教採キーワード―調べ確認してみよう(15)】主体的・対話的で深い学び

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 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善は、現行の学習指導要領が求める学びの中心となるものである。教員採用試験でも、「あなたは、主体的・対話的で深い学びをどのように捉え、どのように授業改善を進めますか。教科等を挙げて具体的に答えてください」といった質問が想定される。学習指導要領の総則および第2章以下の各教科などにおける記載内容を確認しておきたい。

総則における記載

 総則の記載は複数箇所あるが、次のように「学校の教育活動を進める」際の授業改善の在り方として主体的・対話的で深い学びが記されている。ここでは、知識・技能、思考力・判断力・表現力などのいわば知育に当たる能力、道徳性の涵養に関わる徳育、体育の全てにわたって、主体的・対話的で深い学びが用いられていることが特色である。関連の部分は次の通り。

 「第1章 総則 第1 小学校教育の基本と教育課程の役割 2学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り、児童に生きる力を育むことを目指すものとする」。

 次に「第3教育課程の実施と学習評価」において、次のように「単元や題材などの内容や時間のまとまりを見通(し)」すこと、および各教科などの見方・考え方との関連を示している。

 「1主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善(1)第1の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、児童の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと」。

 これは授業改善について触れた、学習指導要領の解説総則編の解説文である。中教審答申における授業改善の視点を具体的に示しているので、参照していただきたい。

各教科などにおける記載

 第2章以下では、特別の教科道徳を除いて、主体的・対話的で深い学びに関する記載が「指導計画の作成と内容の取扱い」に記されている。各教科などの授業においてどのように具体化すればよいかを考えておきたい。

 国語:「その際、言葉による見方・考え方を働かせ、言語活動を通して、言葉の特徴や使い方などを理解し自分の思いや考えを深める学習の充実を図ること」。

 社会:「その際、問題解決への見通しをもつこと、社会的事象の見方・考え方を働かせ、事象の特色や意味などを考え概念などに関する知識を獲得すること、学習の過程や成果を振り返り学んだことを活用することなど、学習の問題を追究・解決する活動の充実を図ること」。

 総合的な学習の時間:「その際、児童や学校、地域の実態等に応じて、児童が探究的な見方・考え方を働かせ、教科等の枠を超えた横断的・総合、的な学習や児童の興味・関心等に基づく学習を行うなど創意工夫を生かした教育活動の充実を図ること」。

 授業改善に当たっては、中教審答申で示す視点を参考に、主体的な学び、対話的な学び、深い学びのイメージを明確にし、また、各教科などの「見方・考え方」を生かす場面を想定しながら学びを具体化することが大切と考える。

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