学校図書館ガイドラインには、「学校図書館に携わる教職員等」という項目があり、「学校図書館の運営に関わる主な教職員には、校長等の管理職、司書教諭や一般の教員(教諭等)、学校司書等がおり、学校図書館がその機能を十分に発揮できるよう、各者がそれぞれの立場で求められている役割を果たした上で、互いに連携・協力し、組織的に取り組むよう努めることが望ましい」と書かれています。学校図書館を支える上で特に大きな役割を担う校長、司書教諭、学校司書の役割について見ていきましょう。
【校長の役割】
このガイドラインにおいて、校長は学校図書館の館長であり、「校長のリーダーシップの下、学校経営方針の具現化に向けて、学校図書館全体計画を策定するとともに、計画的・組織的に学校図書館の運営がなされるよう努めることが望ましい」とされています。図書館担当の主任が図書館長と言われていた時代もありましたが、このガイドラインで館長は校長であることが明文化されました
【司書教諭の役割】
司書教諭の役割は、「学校図書館の専門的職務をつかさどり、学校図書館の運営に関する総括、学校経営方針・計画等に基づいた学校図書館を活用した教育活動の企画・実施、年間読書指導計画・年間情報活用指導計画の立案、学校図書館に関する業務の連絡調整等に従事するよう努めることが望ましい」とされています。また、「司書教諭は、学校図書館を活用した授業を実践するとともに、学校図書館を活用した授業における教育指導法や情報活用能力の育成等について積極的に他の教員に助言するよう努めることが望ましい」とされています。例えば、小学校などで百科事典の引き方指導などをいつどの単元で教えるかなどのシラバスを考えるのも、司書教諭の大きな仕事です。
【学校司書の役割】
学校司書の役割は、「学校図書館を運営していくために必要な専門的・技術的職務に従事するとともに、学校図書館を活用した授業やその他の教育活動を司書教諭や教員とともに進めるよう努めることが望ましい」とされています。具体的には、
1 児童生徒や教員に対する「間接的支援」に関する職務
2 児童生徒や教員に対する「直接的支援」に関する職務
3 教育目標を達成するための「教育指導への支援」に関する職務
の3つの観点に分けられています。
特に、学校の教育活動全体の状況を把握するため、職員会議や校内研修に参加することが明記されたのは大きいことです。しかし、多くの小・中学校図書館に配置されている学校司書は短時間勤務の非正規職員です。ガイドラインに記されているような職務が遂行できるよう雇用形態が見直されることを切に願います。