第4回 「6態様」より集団活動「独立国活動」-子どもが主役-

第4回 「6態様」より集団活動「独立国活動」-子どもが主役-
【協賛企画】
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 校務主任を2年務めた後、教務主任になった。一般の教務主任と同じく、教育活動の計画・運営をしていくのが主な仕事だが、本校の場合は大きく異なる点が一つある。それは「学校の主体が子どもである」ということである。

 簡単に言えば、「主役は子ども」「子どもが決める」ということだ。多くの学校は、教務主任が会議で提案をし、職員の合意を得て活動が動きだす。しかし、本校ではまず子どもたちに相談するところから始まる。それは「学校を創る」「学校を動かす」のは子どもたちであり、それが集団活動「独立国活動」と呼ぶ教育課程の一つだからである。学校をより良くするために何ができるのか、楽しい学校生活にするために何をしたらよいのか、仲間や異学年・ペア学年と共に考え、実行していく学びである。

 月曜日の朝、「朝のつどい」と呼ばれる全校が集う集会があるが、教務主任の出番はない。首脳部と呼ばれる学校の代表6人が、プログラムを考えて運営をする。今週の予定の確認、行事への参加呼び掛けや練習などがあり、時には話を聞きたい先生に依頼をする「〇〇先生のお話」というコーナーやクイズの時間があったりもする。教務主任は完全に裏方のサポートである。6人のやりたいことがうまくいくように、会場の準備やマイクの設定、段取りの確認などをしていく。これは「スポーツ祭」(運動会)や「おがわっ子フェスティバル」(文化祭)など、大きな行事も同じである。

「朝のつどい」でリーダーの任命をする首脳部
「朝のつどい」でリーダーの任命をする首脳部

 各種「つどい」や「自治活動」、宿泊行事、最後の学習(卒業式)も同様である。「こんな活動にしたい」「これをやってみたい」という子どもたちの思いを受け止め、職員の計画と体制づくりが始まる。前に立つのは、いつも子どもたち。1年生からそのような活動を続けているからこそ、「自分たちはこうしたい」という意思が芽生え、計画を立て、失敗しながらも実行し続けていく力が育ってくる。

 今年度は、得意なことを発表する「おがわっ子グランプリ」や仮装をして校内を練り歩く「ハロウィンイベント」、先生と子どもたちで鬼ごっこをする「逃走中」などが企画された。秋のおがわっ子フェスティバルでは、校長先生、教頭先生、私の3人のもとに、子どもたちから台本と悪魔の角が手渡された。

 「先生たち、ステージは悪役です・・・」

 ステージの寸劇の依頼だった。毎日のように練習をする気合いの入った子どもたち。台無しにしてはならぬと、当日の早朝、3人でこっそりと朝練をすることに…。大盛況のステージに喜ぶ子どもたち、そして「やれやれ」と安堵のため息をつく裏方3人組となった。

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