第7回 「6態様」より「週間プログラムによる学習」(週プロ)

第7回 「6態様」より「週間プログラムによる学習」(週プロ)
【協賛企画】
広 告

 現在、本校の実践の中で最も注目されているのが「週プロ」である。単元内自由進度学習がメジャーになり、その発祥が緒川小と言われているからである。

 「週プロ」は2~3教科を同時進行で行う学年単位での教科授業である。導入では、ガイダンスが行われる。ここでは、教師が単元の目標と時間、学ぶ内容などを説明する。関心を持たせるために、マジックを見せたり、寸劇をしたり、提示の仕方に工夫を凝らす。子どもたちは学ぶ内容が分かると、自分の学びを計画し始める。何から学ぶのか、どれくらいの時間をかけていくか、どこで学ぶのかなど、まさに学びのデザインである。

 そして翌日からは、個の学びがスタートする。自席で黙々と学ぶ子、ホールで実験をする子、ラーニング・センターでヒントを探す子など、学び方も進度もそれぞれである。皆、自分が立てた計画であっても予定通りにはいかないため、計画を練り直す作業が学びに組み込まれていく。

 なぜ、このような手法を取り入れるのか。それは自立した学習者「自ら学ぶ子」を育てるためである。「週プロ」では、教師からの指示はほとんどない。自分で方法や時間、場所や道具を決めて学んでいかないといけない。「自分のやり方で学べるから好き」と言う子もいる一方、おとなしく座っているだけでは済まされないという状況に追い込まれるため、「週プロは苦手」と言う子もいる。解決に向かって考え動くことが要求される学習なのである。

 教師は、その点を踏まえ、あえてかわいい子どもたちに旅をさせる。手と口を出せば、その場で解決してしまうことも、グッとこらえて様子を見る。「どこまでできたのか」「何に悩んでいるのか」など、見取ったことは記録する。

 記録は、授業後に教員同士で持ち寄ってカンファレンスを行う。足りない学習環境はないか、効果的な資料が配信されているか、どのような支援をしていくとよいかなどを話し合う。大事なのはその子が自分で乗り越えていく経験をさせることである。効率良く習得させることではなく、「学び方を学ぶ」のが「週プロ」の時間なのである。

「週プロ」のまとめの様子
「週プロ」のまとめの様子

 中盤を過ぎると、発展学習に入る子が出てくる。ゴールに行き着いた子どもたちである。この子たちは、それまでの学びを生かして、さらに自分の学びを深めていく。最終日には活動のまとめや発表会が開かれる。解決した内容だけでなく、どのような学びをしてきたのか、どうして解明できたのかを学年でシェアし、「週プロ」の学びは幕を閉じる。

 同じような取り組みは、進学先の北部中学校でも始まっている。本校の子どもたちは、6年間の「週プロ」の後、中学校に進学しても同じような学びを続けていく。ここ数年は研究部を中心とした小中連携が図られ、「9年間の学び」に変わってきている。

広 告
広 告