第8回 「6態様」より総合学習「生きる」-自分の身の回りから世界的な課題まで-

第8回 「6態様」より総合学習「生きる」-自分の身の回りから世界的な課題まで-
【協賛企画】
広 告

 総合学習「生きる」は、1・2年生の「生活科」と3~6年生の総合的な学習の時間を一体的な構造のものと捉え、6年間に系統立てたものである。基本は学年授業で、学年全員で授業が進んでいく。47年前の開校当時からこの学習に取り組んでおり、「生活科」や「総合的な学習の時間」ができた時には、多くの視察があったと聞いている。また、ユネスコスクールの愛知県公立小学校第1号の加盟校の実践としても、注目をされている。

 この「生きる」の大きな目標は、「よりよい生活を創り出す実践力を養うこと」である。具体的には、社会や自然に目を向け、自分がどのように関わっているかを知り、よりよい関わり方を考え、判断し、実践していく活動である。そこで大切にしているのが、子どもたちの思いである。4月には子どもたちとキーワードを基に、1年を通して何を追究していきたいのかを話し合い、テーマを決める。その後、学年に応じたさまざまな活動に入っていく。

総合学習「生きる」の掲示板
総合学習「生きる」の掲示板

 5年生は、「いのち」をキーワードに学びを進めている。今年度のテーマは「この世で一つの宝物~一人一人を大切に~」である。年間を通して行っているのが、運動場の田んぼを使った米作りである。地域の老人会「東楽会」の方々に協力をいただき、しろかきから田植え、収穫、米の選別まで全て自分たちで行っている。今年度は、途中で鳥に食べられてしまったり、田んぼが荒れてしまったりするトラブルもあった。子どもたちは、かかしを作ったり田んぼを守る呼び掛け隊をつくったりするなど、頭をひねっていた。最後は、お腹いっぱい食べられることがどれだけ幸せかを感じるとともに、お世話になった方々への感謝の会を企画した。

 6年生は、「生き方」をキーワードに「未来への階段~つばさを広げ 戦争のない自由を~」をテーマとした。これは、最後の学習(卒業式)のテーマにもなってくる。2学期は、アートマイル国際協働学習の活動に力を入れていた。これは、自分たちが気付いた課題をSDGsにつなげ、世界の仲間と解決策を議論したり、未来について一緒に考えたりし、訴えたいメッセージを共同制作で壁画にするというものである。今年度はイギリスの学校と活動を進め、共同の壁画がもうすぐ完成するところである。

 「身の回りの人たち」や「自分の暮らし」について学び始める1年生が、6年後には国際交流や世界的な課題にも学びを広げていく総合学習「生きる」。「おがわっ子」は中学校に進学しても探究活動が止まらない。近年では、中学生となった子どもたちが、探究の成果を小学生に披露しに来校することもある。小中連携を生かして、よりダイナミックな9年間の探究活動を進めていきたいと考えている。

広 告
広 告