【教採キーワード―調べ確認してみよう(22)】学校段階間の円滑な接続

【教採キーワード―調べ確認してみよう(22)】学校段階間の円滑な接続
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 義務教育学校や中等教育学校の制度化の動きも受け、学校段階間の円滑な接続が要請されるようになった。接続の円滑化のためには、入学段階、卒業段階の双方において、学習や学校生活の接続に配慮した取り組みが必要とされる。

幼稚園と小学校

 幼稚園については、幼稚園教育要領の「第1章総則」の第2の3に「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が、「(1)健康な心と体」から「(10)豊かな感性と表現」の10の項目として示されている。これらの項目は「幼児の幼稚園修了時の具体的な姿」を示すものとされている。また、幼稚園幼児指導要録の指導の記録の最終年次については、「「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を活用して幼児に育まれている資質・能力を捉え、指導の過程と育ちつつある姿を分かりやすく記入するように留意すること」とされている。

 小学校については、小学校学習指導要領「第1章総則」の第2の「4 学校段階間の接続」に2つの項目が示されている。(1)では、生活科における工夫を例示しながら、幼児期の教育によって育まれた資質・能力を踏まえた教育活動を展開する、としている。また、(2)においては中学校教育及びその後の教育と円滑な教育が図られるように工夫することが示されている。

小学校と中学校

 中学校学習指導要領「第1章総則」の「第2 教育課程の編成」の「4 学校段階間の接続」の(1)において、「小学校教育までの学習の成果が中学校教育に円滑に接続され、義務教育段階の終わりまでに育成することを目指す資質・能力を、生徒が確実に身に付けることができるよう工夫すること」とされている。(2)では小学校の場合と同様、「高等学校教育及びその後の教育との円滑な接続が図られるよう工夫すること」とされている。

中学校と高校

 高校学習指導要領の場合、「第1章総則」の第2款の「4学校段階間の接続」の箇所に3つの項目が示されている。

 (1)には、「中学校教育までの学習の成果が高等学校教育に円滑に接続され、高等学校教育段階の終わりまでに育成することを目指す資質・能力を、生徒が確実に身に付けることができるよう工夫すること」とされている。

 (2)では、義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための工夫の例をア、イ、ウの3点示している。アは、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るための学習機会を設けること。イは、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図りながら、必履修教科・科目の内容を十分に習得させることができるよう、その単位数を標準単位数の標準の限度を超えて増加して配当すること。ウは、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目などを履修させた後に、必履修教科・科目を履修させるようにすること。

 (3)では、高校卒業以降の教育や職業との円滑な接続が図られるよう、関連する教育機関や企業などとの連携により、卒業後の進路に求められる資質・能力を着実に育成することができるよう工夫するとされている。

 一方、義務教育学校及び中等教育学校における義務教育9年間、中等教育6年間を見通した教育課程の編成についても示されている。

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