試験期日の前倒し傾向により試験本番まで残り3~5カ月となった。ここで改めて、試験に臨む際の服装、身だしなみの基本を把握して必要な準備を進めよう。スーツ、靴など身に着けるものは早めに用意して、なじんでおくとよいだろう。
教員採用試験対策の講義や講座でフリーに質問を募ると、身だしなみに関する質問が最も多い。特に学生の場合、普段は自由な服装、髪型、メイクをしており、勝手が分からないので不安が大きいのだろう。
受験者の身だしなみのポイントは、若さを感じさせ、控えめで、清潔感があるということ。メークは普段より少し控えめに。特に個性的である必要はない。社会人らしい、教員らしい身だしなみの行き届いた人物、という評価を得たいものである。
身だしなみや服装で合否が決まることはないが、例えばシャツやズボンににしわがあったり、袖口が汚かったりすると印象はよくない。第一印象がマイナスになる。そのマイナスの印象を取り戻すのは結構大変である。面接官は身だしなみがきちんとしているかどうか、しっかり見ていることが多いという。靴には目が行きやすく、汚れていたり、かかとが減っていたりすると気になるというので、手入れはきちんとしておきたい。
第一印象を決める要素は、次の通り。
▽身だしなみ・服装
▽表情・声・立ち振る舞い・挙動
▽敬語・言葉遣い
▽マナー
以下に、身だしなみに関するよくある質問と回答を示すので、参考にされたい。
■問い1 スーツの色は何色がよいか
答え 最近の受験者はブラックのスーツが圧倒的に多いが、紺やグレー(チャコールグレー)でもよい。ストライプ柄も派手なものでなければ、大丈夫である。
■問い2 シャツやブラウスの色は何色がよいか
答え 白が基本である。薄い色であれば、ブルーやピンクでもよいだろう。
■問い3 女性の場合、スーツはスカートとパンツのどちらがよいか
答え どちらでもよい。普段から着慣れている方か、着てみて落ち着ける感じの方を選ぶ。また、スカートの丈は座ると少し上がるので、椅子に座った際、膝上5センチ程度になる丈がよいだろう。
■問い4 スーツの上着のボタンはいくつのものがよいか
答え スーツのボタンは2つと3つのものが一般的だが、どちらでも構わない。女性は上着のボタンを全部留めるが、男性は一番下のボタンは外しておくのが一般的である。
■問い5 男性はどのようにネクタイを選べばよいか
答え 色は赤、青、黄、緑、茶が、柄はストライプ、水玉、ペーズリーなどが一般的。スーツの色と合わせて派手にならないようなものを選ぶ。
■問い6 靴下はどのようなものがよいか
答え 男性の場合、白は避けて、紺やグレーがよい。座るとパンツの裾が上がり靴下が見えるので、ふくらはぎまである長さのものを選ぶ。女性は原則的にベージュのストッキング。
■問い7 靴はどのようなものがよいか
答え 男女とも色は基本的に黒。男性はひもがある形がベター。女性はヒールが5センチ以内のものを。
■問い8 茶髪など髪は染めていてもよいか
答え 基本的にどのような色でも避けた方がよい。髪を染めること自体に良い印象を持っていない場合が多く、特に、年配の面接官には良い印象を持たれない。また、現在染めている場合はなるべく早めに黒に染め直して、自然な髪色になるようにしたい。
■問い9 どのような髪型がよいか
答え 男性の場合、後ろはシャツの襟にかからない、横は耳にかからない、前は目に入らない、程度の短髪がよい。長髪や髪を立たせたり跳ねさせたりすることは避ける。女性の場合、基本的に髪型は自由、派手な髪型でなければ短髪でも長髪でもよい。お辞儀の際、後ろの髪が前に落ちてこないように後ろで束ねるようにする。髪飾りはおしゃれに利用するような飾りは不要。髪を結ぶ時は、黒のゴムか基本的に黒い目立たないものを使用する。
■問い10 化粧はしてもよいか
答え 社会人としてノーメークはあり得ない。最低限、ファンデーションとリップは付ける。ナチュラルメークを心掛ける。男性は、ひげをきちんとそり、鼻毛が出ないように気を付ける。