第2回 育休に正解なし

第2回 育休に正解なし
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 最近、「育休は取った方がいいですか?」「取って良かったですか?」と聞かれることや、「育休や時短が思うように取れなくて…」と相談されることが増えました。

 育休や時短勤務の経験者であり、こんなふうに自論を述べているので、さぞ素晴らしい父親だと思われることがありますが、この原稿を書いている今日も、子どもとの関わりに悩み、妻と意見の食い違いを感じ、振り返っています。11年間にわたり親業をしてきましたが、今もうまくいかないことは多く、正解は分かりません。

 育児に正解がないように、育休にも正解はないと思います。なので、育休を取るか取らないかは夫婦の考えや家庭の状況にもよります。

 私たち教員は、世の中の流れや常識などを大切にする傾向があると思います。就職して、結婚して、子どもを授かり、家庭を持ち、マイホームを買う。その中に、良き父親像として「男性が育児をする」、そして「男性が育休を取る」というイメージができてきました。最近では「良き父は育休を取る」という風潮さえ感じます。

 2010年ごろに「イクメン」という言葉がはやりました。長男が生まれた13年、男性育休者は約2%と、取らないのが普通で、取ったとしても短期間でした。私自身もわが家にとって第一子であったことや、里帰り出産であったことから、育休を希望しませんでした。最近では、約30%の男性が育休を取得しているというので、育休も時代とともに変化してきていることが分かります。

 皆さんにとって、そもそも結婚や子育て、マイホームなどが、本当に自分の人生に必要なのか考えてみてください。今は多様性の時代です。人生に正解はありません。

 しかし、私なりの不正解が一つだけあります。それは、「自分に正直ではない」ということです。これは、ブロニー・ウェア氏の『死ぬ瞬間の5つの後悔』という本で紹介されています。

ブロニー・ウェア氏の「死ぬ瞬間の5つの後悔」
ブロニー・ウェア氏の「死ぬ瞬間の5つの後悔」

 現代人の多くが最期の時、「自分に正直な人生を生きればよかった」「働きすぎなければよかった」という後悔が頭によぎるそうです。他人の目を気にし過ぎたり、先のことや未知なることを心配し過ぎたりして、何も行動できなかったことを悔い、リスクを恐れずにいろいろ挑戦すればよかったと振り返るそうです。

 人生一度きり、今という同じ時間は二度とありません。今この時は唯一無二です。だから、私は自分に正直に、家族の願いをかなえる生活に向かっていこうと思いました。私にとっての育休期間は、家族と過ごす時間的ゆとりをつくること、子どもの成長に関わること、妻のやりたいをかなえる時間をつくることがしたいことでした。だから、それが実現できてよかったと感じています。

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