山梨県公立小学校教員
2020年、長男は幼稚園、次男は保育所に、それぞれ通っていました。私は小学5年生の担任でした。ある日、長男の就学時健診で早退しました。すると、クラスのある男の子が言いました。
新型コロナウイルスの流行は、働き方や家族観を変えた出来事の一つです。
2022年9月5日、第三子となる長女が誕生しました。私にとって、初めての育休でもありました。出産予定日が8月31日だったため、生まれても生まれなくても2学期の勤務はしないと決めていました。現状、教員には男性の産前休暇制度がありませんが、その期間を「男性版産前休暇」と名付け、夏休み中の8月1日の出勤を最後に、自主的に休暇を取得しました。
2021年、育児短時間勤務(育短)を希望した時の話です。次男誕生時の育休希望から3年がたっていましたが、「代わりがいない」という点は変わっていませんでした。そしてもう一つ、「育短の前例がない」という点も課題になりました。男性の育休は少しずつ増えてきていましたが、育短勤務者は女性でも前例がありませんでした。どんな制度なのか、県外ではどうなっているのか、管理職も教育委員会も前例のないことに困惑している様子が感じられました。自分でもたくさん調べました。
「制度はあっても代わりがいない、これまでに前例がない」 私の時短勤務と育休を大きくこじらせたのはこの2つの壁です。
「奥さんは何しているの?」「奥さん助かるね」などと、育休中も時短勤務の時もよく言われました。
育児の成果は目に見えない、分かりづらいものです。原稿執筆の依頼をいただいた後、久しぶりに近くのショッピングモールに来ました。今日は一人、寂しく感じます。育休中に娘と2人で、何度も足を運んだ場所です。
育児の先輩から、 「あっという間だった」 「もう少し育児に関わればよかった」 「もう少し家族と過ごせばよかった」 との話をよく聞きます。そのたび、今しかできないことを優先したいと考えるようになりました。
最近、「育休は取った方がいいですか?」「取って良かったですか?」と聞かれることや、「育休や時短が思うように取れなくて…」と相談されることが増えました。
「笑っている親の顔、先生の顔。子どもたちはそれが好き。家庭も学校もそれが原点。自分もそうありたいし、自分が満たされていることが、周りにいる人への還元につながる。まずは自分が幸せに、豊かに、心穏やかに。そのための自己実現。自分に正直に生きよう」
広告ブロック機能を検知しました。
このサイトを利用するには、広告ブロック機能(ブラウザの機能拡張等)を無効にしてページを再読み込みしてください