第9回 ギフテッド児の保護者の孤独に支援を

第9回 ギフテッド児の保護者の孤独に支援を
【協賛企画】
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 ギフテッド児の子育ては孤独です。ギフテッド児は発達や思考の仕方が普通と異なり、育児書に書いてあることが当てはまらず、助けになるはずの家族や友人、医師や教師からも、ギフテッド児の育児について理解されにくいためです。

 ギフテッド児の特性は、乳幼児の頃から現れると言われています。保育所や学校生活でも困り事になりやすいため、親は困惑して周囲に相談しますが、「賢いのであれば問題ない」「自慢している」などと言われ、次第に誰にも相談できなくなると聞きます。

 加州の公立学校区のギフテッド教育を監修しているシャロン・マエダ先生は、学区のギフテッド児の保護者のみを対象にしたトークイベントを年に数回企画しています。そのイベントは、保護者がギフテッド教育やギフテッド児の特性などについて学べる機会になっています。

 日米ギフテッド教育協会では、保護者サポートのための3つのプログラムを用意しています。

 1つ目は、2023年から運営しているオンラインでの「ギフテッドを学ぶサロン」です。ギフテッド児の保護者、当事者、教育者が参加できます。サロンでは、多くの保護者がこれまでの子育ての苦労を語り合い、他の方も同じ悩みを抱えていることを知り、一人ではないと安心するといいます。

 このサロンでは、昨年から毎月子ども向けイベントとして、ギフテッド教育中級資格を取得されたニューヨーク在住の元小学校教員・辻沙織さんよる「Show & Tell」クラスを開催しています。子どもたちが自分の興味・関心のあるものを持ち寄って発表し合うというものです。

 ギフテッド児は、一般の子どもが興味を示さないものに興味を持つことが多く、そのために自分の興味を周囲に共有できず、孤独を抱えていることがあります。このイベントは、自分の興味を誰にも遠慮せず、堂々と発表し、同年齢の同じような思考の子どもたちからフィードバックももらえる場として機能しています。

 サロンでは25時間以上のギフテッドについての動画が閲覧可能で、日米のギフテッド児支援情報もたくさん集まっています。

「ギフテッドを学ぶサロン」の「Show&Tellクラス」の様子。日米の小学生が参加。
「ギフテッドを学ぶサロン」の「Show&Tellクラス」の様子。日米の小学生が参加。

 2つ目は、キャンプでの保護者支援クラスです。子どもがギフテッド教育の授業を受けている時間に、保護者同士が対面でつながれる時間を設けます。

 3つ目は、ギフテッド教育研修です。日本では、多くのギフテッド児が不登校になっていることから、当初は教員向けに用意していた研修に「おうちコース」を追加しました。

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