早い自治体では、2026年度採用の教員採用試験のエントリーが始まった。いよいよ教員採用試験の本番が間近となってきた。志望する自治体の情報をきちんと入手し、確実に受験の申し込みをしていかなくてはならない。エントリーに関するいくつかの留意点について見てみよう。
まず自治体によっては、採用試験に関する説明会を開催しているところもある。オンラインでの開催もある。試験内容や採用の方針などの説明、先輩教員からのアドバイスなどがあるので、ぜひ参加しておきたい。日程や参加方法などは教委のホームページなどで確認できる。
受験する自治体を決め、採用試験の実施要項を入手する。多くの自治体ではすでに採用方針などを公表し、それらを収載した要項を配布している。ホームページからのダウンロードができる場合が多いので、自分が受験する自治体の実施要項を確実に、早めに入手しよう。
入手したら、まずは要項を十分読み込むということが求められる。
実施要項に記載されている事項は、主に次の通り。
▽募集する校種・教科(科目)およびその採用見込み数
▽選考日
▽選考方法
▽受験申し込み方法および締切日、申し込みに関する注意事項
▽選考結果の発表
▽受験資格
▽提出書類および提出先
自治体が募集する校種(教科・科目)は、現職の教員数の増減や児童生徒数などによって変わる。前年度に募集されていたからといって、必ず今年度も募集があるとは限らない。十分注意しよう。
複数の自治体を受験するつもりならば、1次だけでなく2次試験の日程も確認しておきたい。
願書の提出はオンライン、郵送などがある。受付期間は2週間程度が一般的であるが、短期間の自治体もあるので注意が必要である。
出願に当たって、または2次試験合格後などに提出しなくてはならない書類は結構多い。主なものは別表の通り。
用意するのに手間がかかるものもあるかもしれない。自己アピールなど記入事項も少なくない。間に合わなくなったりしないように早めに入手して、内容をしっかり確認する。
エントリーシートへの記入で特に注意したいのは、「要項をしっかりと読む」ことである。何を記入することが求められているのかをしっかり把握。絶対に慌てて記入してはいけない。慎重に取り組むことが必要である。
記入が終わったら、回答様式に合っているか、聞かれている内容にきちんと回答できているのかなどを確認する。細かいことだが、「『ふりがな』と書かれていたら、平仮名を用いてふりがなを書く」「字数の制限を守る」などだ。空欄もないようにしたい。
次にエントリーシートを見てみよう。代表的な記載事項は、次の通り。
▽得意分野・重点履修分野
▽志望動機(教員になりたい理由)
▽学生時代に力を入れたこと(「参加した部活動、サークルの記録」「ボランティア活動経験」「海外留学経験」など)
▽研究事項・卒業論文のテーマと概要
▽教員として生かせる民間企業の勤務経験
▽長所と短所
▽趣味・特技
記入したことは「必ず問われる」ということを予測する。実際に面接では何を問われるかが分からないからと、漠然と記入してはいけない。面接官はエントリーシートをもとに質問をするので、逆に面接の場で「ぜひ質問してもらいたいこと」のアピールポイントに力を入れよう。このアピールポイントがあると面接官も質問がしやすくなる。聞いてもらいたいことを伏線として記入してアピールしておけば、面接官の興味を引きやすくなる。聞いてもらいたいことだから、あらかじめ質問に対する回答を用意しておくこともできるのである。
エントリーシートには自己PRを記入するものも少なくない。これを、自分を大げさに表現したり、誇大広告したりするものと勘違いしている場合がある。
これは「私はこんな人間である」と説明するためにあるもの。しっかりと自己分析した上で、聞かれている事項に対して的確に自己PRするのが大事である。
教採試験の受験に際し必要となる主な書類
○志願書(受験申込書)
○教員免許状の写しまたは取得見込み証明書
○最終卒業・修了証明書または卒業見込み証明書
○最終卒業・修了学校または在学校の成績証明書
○最終卒業・修了学校または在学校の人物証明書
○健康診断書
○写真
○自己PR文または自己推薦文
※各自治体の実施要項で確認してください