よく保健室に行きたがる子がいます。今日も、「気持ちが悪い」と言ってきました。対応してください(場面指導・当該の子どもに話し掛ける形で回答する)。
今日もまたしんどくなってしまったのか。この頃調子がよくないようだね。どんな具合だい。頭が痛かったり、吐き気がしたりするのかな。
先生も心配だなあ。どうだ、保健室の先生に相談してみるか。行って体を休めなさい。後で君の様子を見に行くよ。保健室の先生からも話を聞きたいからね。
【コメント】
この質問は、場面指導を通して教師としての適性を見ようとしています。この回答は子どもの立場に立って話を聞こうとしている様子がうかがえます。
このような誠意のある問い掛けは、この子にとって自分が大切に扱われているという実感につながり安心させます。また、今まで学校生活や家庭に悩みや相談を抱えていながら相談しづらいと感じていた他の子どもたちも、この教師には心を開いてくれそうです。
教師には、このように子どもの考えや価値観を尊重し、受け止めようとする意識が求められています。
保健室に何しに行くのかな。少しぐらいだるいのは誰にでもあるもので、我慢できないのか。そういえば前にも言ってきたことがあったね。少し気持ちがだらけてきているのではないのかな。もっとしっかりしなくてはだめだよ。よし、今日は保健室で休んでいいよ。
【コメント】
このような子どもの気持ちへの配慮のない言葉は、自ら教師に向いていないことを宣言しているようなものです。教師の何気ない一言が、実は子どもの心に深い傷を負わせていることが少なくありません。この子がどんな気持ちで訴えてきたのか。このように言われたらどんな気持ちになるのか。教師を目指すなら、もっと子どもの気持ちを考えた対応がほしいものです。子どもが一人の人間として大切にされていると感じられるようにするのです。子どもたちはさまざまな事情を抱えて登校しています。例えば、いじめなどが原因でどうしようもなくなっているのか、友人とのもめ事があってそれを避けるための場所がほしいのかなど、子どもの状況を受け止められる対応が求められます。