2022年9月5日、第三子となる長女が誕生しました。私にとって、初めての育休でもありました。出産予定日が8月31日だったため、生まれても生まれなくても2学期の勤務はしないと決めていました。現状、教員には男性の産前休暇制度がありませんが、その期間を「男性版産前休暇」と名付け、夏休み中の8月1日の出勤を最後に、自主的に休暇を取得しました。
夏休み中は、オンラインで会議や研修に参加することはありましたが、出勤せず、できる限り家族と過ごしました。タイミング的に夏休みだから休みを取りやすかったというのもありますが、想像以上に休みの意味を感じる日々でした。
妻の出産と夏休みが重なり、息子たちも家で力を持て余しています。日本の夏は毎年、「酷暑」を記録するようになりました。出産は家族で臨む一大イベントです。妻が、安心安全にその日を迎えられるように、パートナー(自分)の協力の必要性を感じたわけです。
体を犠牲にするのは女性です。出産の痛みは交通事故に遭ったほどとも言います。臨月期の母体にはさまざまな変化が起こり、大変な時期と言えます。お腹の増大と内臓への圧迫、腰痛、恥骨痛、股関節痛などの身体的な不調だけでなく、ホルモンバランスの変化や出産への不安・焦りなどから精神的な変化もあります。また、お腹が大きいため、日常生活の動作がしにくくなります。外出を控えたり、外出自体がおっくうになったりすることもあります。睡眠時の圧迫感もあり、十分な休息が取りにくくなる時期でもあります。このような状況で、妻自身にもサポートが必要でしょうし、ましてや子どもたちの世話までと考えるとぞっとします。
しかし、困ったこともありました。山梨県では8月25日ごろから2学期がスタートします。過去の出産経験から、今回も予定より早まるのではないかと予想していましたが、待てども待てどもその日は来ませんでした。毎日「まだです」と連絡することもストレスに感じました。学校側としても、出生なくして育休のスタートができず、代替教員の出勤ができないというジレンマでした。
そんな日々が10日ほど続きました。やっと生まれたと思ったら、次はできるだけ早く出生届を提出してくれと言われました。制度は確実に改善されつつありますが、まだまだ不十分な点もあると感じています。
こうしたジレンマを経験した人が声を上げ、改善するという社会のサイクルがうまく回っていけば、もっと働きやすく、子育てに優しい社会になっていくのではないかと思います。