志願書に添付する証明写真はどこで撮る――。証明写真は、受験者の第一印象を左右する重要な要素である。さえない写りの写真を提出してしまうとネガティブな印象で面接に臨むことになる。写り方からサイズ、枚数、準備時期に至る細部まで注意し、好印象を与えるような工夫が求められる。
人は第一印象、つまり「初見の見た目」が重要であると言われている。例えば、道を聞くときには優しく親切に教えてくれそうな見た目で教えてもらう相手を選ぶだろう。また、初見の印象は後々まで影響し、それを変えるにはかなり大変であるとされている。志願書の写真は面接官に第一印象を与えるものなので、面接がマイナスのスタートにならないよう気を配った方がよい。もちろん写真で合否が決まるわけではないが、面接官に好印象を与える1枚にしたいものである。
証明写真を撮る場所や方法は大きく分けて、「写真館(スタジオ)」「スピード写真(撮影機)」「自宅(スマホなどで自撮りや知人による撮影)」の3つがある。
結論から言うと、撮影する場所については、写真館(スタジオ)がベストである。それぞれメリット、デメリットを見てみよう。
まず、スピード写真(撮影機)。写真機は全国に点在していて、すぐに撮り終えるため、利便性に優れている。費用も安く済む。最近はクオリティーも高くなっており、撮影機の機種によっては撮影データをダウンロードできるので、オンライン申請にも対応が可能だ。しかしプロのカメラマンが服装、表情などにアドバイスをくれて熟練したテクニックで撮影してくれる写真館には及ばないだろう。
自宅などでの撮影の利点は料金がかからないことである。納得するショットが取れるまで何回でも撮り直しができる。だが、適切な照明の用意をしたり、背景の色を調整したりするのが難しい。撮影者は自撮りか友人、知人なので上手に撮れるかは未定である。
写真館は、熟練したスタッフが撮影を担当してくれるので、クオリティーが高く、きれいな写真を撮影してくれる。表情のつくり方や身だしなみの整え方にもアドバイスをくれる。ヘアスタイリングとメークなども受けられる。撮影は高性能の機材を使い、プロのカメラマンが担当するので、エントリーに最適な写真を撮ってくれるだろう。オンライン申請用に撮影データも提供してもらえる(スタジオに確認すること)。ただし、費用はそれなりにかかる。
トータルで考えれば、写真館での撮影が最適だろう。
では、写真館はどのように選べばよいだろうか。教員採用試験も就活ではあるので、「就活対応プラン」などを用意しているところがよいだろう。メークやヘアスタイリングなどがセットになっているプランである。店頭やサイトなどで提示されているので、それを選ぶとよい。そういうプランがない場合でも、予約を取りに行く時に「就活用の写真を撮ってもらいたい」と伝えておくとよいだろう。
志願書の写真については「スーツじゃないと駄目でしょうか」と問われることが多い。服装は、スーツが基本である。写真は「3カ月以内に撮影したもの」が条件なので、試験時に対応するために用意したスーツで撮るとよい。スーツの色は、落ち着いた紺、ダークグレーなどベーシックな色合いが定番だが、最近は黒が圧倒的に多い。ワイシャツやブラウスは、白、淡いブルーなど清潔感のある色合いで無地が好ましい。ワイシャツの場合、襟ははレギュラーカラーまたはワイドカラーがよい。ボタンダウンやラウンドカラーなど特徴的な襟は避けた過ぎがよいだろう。
撮影時には、歯が見えない程度に口角を上げ、適度な笑顔をつくろう。目線はカメラに向け、顔がこわばらないようにリラックスする。顎を引き過ぎるとにらんでいるように見える恐れがあるので、カメラを正面から見据え、顔の角度にも注意する。姿勢は正面を向き、背筋を伸ばす。椅子の奥まで深く腰を掛け、背もたれに寄り掛かり過ぎないようにして、さらに左右どちらかの肩が下がらないようにする。
受験者の第一印象となる証明写真は、無難なイメージのものを用意しよう。