流れの中で的確な対応を 面接の場面ごとのポイントは

流れの中で的確な対応を 面接の場面ごとのポイントは
iStock.com/mapo
【協賛企画】
広 告

 文部科学省の要請から教員採用試験の実施を5、6月に前倒しする自治体が増えてきた。筆記試験、論作文の準備はできても、面接の準備というのはなかなか難しいもの。そこで、直前対策として代表的な面接の流れを追いながら、それぞれの場面における留意点などを見ていこう。

受付

・余裕をもって会場へ

 何といっても、まずは時間に遅れないこと。寝坊、時計の遅れ、電車の乗り過ごし、会場までの道に迷う、などは絶対に避けなくてはならない。準備段階で確認し、時間的な余裕をもって、試験会場に向かうようにしよう。

 受付では、係の人にきちんとあいさつをして、自分の氏名、学校名、受験番号などをはっきりと告げる。指示に従って面接会場・控室に向かう。

控室

・静かに座って待つ

・エントリーシートの内容を確認

 他の受験者がいたら、軽く会釈し、静かに座って待っていること。知り合いがいても、あいさつだけでおしゃべりはしない。

 身だしなみの最終チェックを行う。トイレにも早めに行っておくとよい。当然だが、携帯電話を切っておくことを忘れないように。

 黙って待っていると緊張が高まってしまう場合があるので、何か楽しいことでも考えながら、リラックスして待ちたい。

 面接カードなどがある場合は、手早く記入する。また、受験申請の際に提出したエントリーシート、自己PR文などのコピーを持参して、自分は何を書いたのか、必ず確認しておく。自分の番が近づいてきたら、軽く深呼吸をしよう。

面接室入室

・笑顔で入室する

・面接官にアイコンタクト

 名前を呼ばれたら、はっきりと返事をしよう。 ドアの前に進み、2回ノックする。「どうぞ」の返事があってから、ドアを静かに開け、会釈してから入室する。

 この入室の瞬間というのは、面接においてかなり重要なポイントだ。第一印象が形成されるからである。この第一印象で失敗するとあとで取り返すのが結構難しい。入った瞬間に、面接官にアイコンタクトをして、笑顔で会釈しながら「失礼します」「よろしくお願いします」などとあいさつをしたい。

着席

・背筋を伸ばして堂々と歩く

・席には勧められてから座る

 あいさつをしたら、席に向かう。背筋を伸ばして堂々と歩く。勝手に座らず、席の横に立って指示を待つ(椅子の左側に立つ)。その際、面接官とアイコンタクトをしたい(複数の面接官がいる場合は全員に)。

 着席を勧められてから、「失礼します」と言って静かに座る。

 椅子には背筋を真っすぐにして深く座るが、背もたれや肘掛けは使わない。腕は膝の上で手の平を見せて軽く握るか、組むとよい。

 この入室から着席までの所作で人柄が分かるので、ここで合否を決めてしまう、という面接官がいるほどである。おろそかにしないように、事前に友人などとシミュレーションをするとよいだろう。

面接

・柔らかな表情で応答

・姿勢は常に崩さないように

 学校名と氏名、または受験番号と氏名を述べて、面接が始まる。

 応答の基本は、「大きな声ではっきりと受け答えをする」「敬語を正しく使う」である。

 ここで重要なのは、見た目である。人が他人から受け取る情報の割合は、「見た目(身だしなみ、しぐさ、表情、目線)」や「話し方(声の大きさ、声の質、テンポ、滑舌)」で約9割を占めると言われている 

 まずは、「面接官とアイコンタクトをする」「まばたきしたり、きょろきょろしたりしない」「質問してくれた面接官をきちんと見る」などに注意し、できるだけ柔らかな表情で応答することを心掛けたい。

 質問されたら、まずは笑顔を返し、面接中は常に笑顔をキープする。困った顔や無表情は絶対に避ける。うなずきも小さなものと大きなものを効果的に用いたい。

 姿勢はなるべく崩さず、面接中は背筋を伸ばしておく。頭をかく、髪の毛を触る、貧乏揺すりをする、足を組むなどはNGである。手は何か面接官に印象付けをしたい時以外はあまり動かさないようにしよう。

 厳しい質問が続き、うまく答えられなかったりすると、姿勢が崩れたり、やたらと手足を動かしたり、うつむき加減になったりする受験者がいる。姿勢や態度が良くないと著しく評価が下がる。たとえ、うまく答えられなくても笑顔やきちんとした姿勢でそれをカバーしよう。

退室

・最後まで気を抜かない

・雑談にもきちんと対応する

 「これで終了です」と言われたら、面接官の方にきちんと向き、「ありがとうございました」と落ち着いてお礼を言い、会釈をする。ゆっくりと起立し、お辞儀をしてからドアの方に向かう。ここでも姿勢よく、堂々と歩く。

 ドアの前で振り返り、もう一度お辞儀をして、「失礼します」と言ってから退室する。ドアの開け閉めは、ドアに向かって行ってよい。

 面接が終わったからといって、ため息をついたり、頭をかいたりしないようにする。面接官は最後まで見ている。退室するまできちんとしよう。

 面接終了時に、雑談をしてくる面接官もいる。「今日は緊張しましたか」「言いたいことがきちんと言えましたか」「教師になれるといいね」などとフランクに話し掛けてくる。気を抜かないで、ここでも明るくきちんと受け答えしたいものだ。一応、面接は終了しているので、笑いをとっても構わない。うまくいけば、評価も上がるだろう。

 控室に戻ったら、次の指示があるまで、また静かに待っていよう。

コミュニケーションする姿勢が大事

 面接は、教員としての資質、使命感、意欲、適性などを評価するために行うものである。簡単に言うと、「この人物に子どもたちを任せていいかどうか」を面接で判断するのである。

 受験者を判断するポイントは、態度、積極性、社会性、コミュニケーション能力、協調性、将来性、問題解決能力などである。もちろん、専門的な知識や教養も問われるが、第一に「コミュニケーションする姿勢」にポイントが置かれることが多い。

 もうわずかであるが、練習を繰り返すなどして、準備万端で臨みたい。

広 告
広 告