保土ケ谷小学校の職員の個別最適な校内研究は、「自己の在り方を見つめること」から始まります。その上で、①「何を」②「どのように」学ぶのかを、他者と対話をしながら考えていきます。今回はそうした探究の具体についてお伝えします。
4月、飾磨教諭は子どもとの関わりについて悩んでいました。ある時、「そもそも、私は子どもをどう見ているのだろう」「他の先生は子どもをどう見ているのだろう」という「問い」を持つようになりました。
そこで、飾磨先生が問いを深めていくためにはどうしたらよいかを仲間と共に考えることから探究が始まりました。「同じ子どもをみんなで見て語ろう」「1回だけ子どもを見ても探究が浅くなる」「2週間職員が時間をつくって、子どもに寄り添い続けてみよう」「この探究の特性上、外部の講師ではなく、毎日関わっている職員と対話する方が深まるのではないか」といった意見が出され、飾磨教諭の探究を共に形づくっていきました。そして、研究会当日は探究者・学年主任・児童支援専任・個別支援級担任のパネルディスカッションをもとに、参加者も2週間で感じたことを語り合う「子どものミカタを磨こう」研を行うことができました。
次の日、飾磨教諭の教室をのぞいてみると、空き時間に足を運んだ他の学年の教員と子どもたちを見つめながら語り合う姿がそこにはありました。飾磨教諭の探究はこれからも仲間と共に続いていきます。
保土ケ谷小学校では「職員」の個別最適な学びをテーマに、さまざまな立場の職員が当事者として探究を進めることができます。その中で、大津留児童支援専任は、自身の探究について次のように語っています。
「私が探究のテーマを決めるときに考えたのは、職員が児童指導や保護者対応に疲弊しているのではないかということです。私は先生と保護者、児童をつないでいくときに『伝える』ということを大事にしています。疲弊してしまう理由の一つに『伝える』ことがあるのなら、職員と共に今回のテーマについて学びたいと思って設定しました。私の探究をきっかけに「伝える」ということに少しでも前向きになれた方がいたらうれしいです」
公開研として行った研究会では、「児童支援専任の探究」に興味をもって来校した他校の児童支援専任の方の姿も見られました。本校の「伝える」営みがより良くなるように、大津留児童支援専任の探究は今後も続いていきます。