ゴールデン・ウィークも終わり、学校では落ち着いた雰囲気で教育活動が展開されていることだろう。それとともに疲れも出てくる時期である。これまでの環境と大きく変わった新規採用の教員は緊張感が解け、疲れがピークになってはいないだろうか。
昨年12月に公表された「令和5年度 公立学校教職員の人事行政状況調査」によれば、年代別の病気休職および1カ月以上の病気休暇取得者のうち精神疾患患者数を在職者に対する割合で見ると、他の年代が1%台の半ばまでであるのに対して20代の教員は2%を超えている。
(一財)教育調査研究所の研究紀要第102号「若手教師の悩みに応える」(23年6月5日発行)では若手教師への質問紙調査の結果、「教師になってから悩んだこと、悩んでいること」として5割を超える若手が「授業がうまくいかない」「子どもの褒め方・叱り方」「特別な支援を要する子どもの指導がうまくできない」を挙げていた。若手の悩みを的確に把握する必要がある。
小学校では「悩みを相談する人が分からない」若手の割合が教職経験を積むごとに増加するのに対して、中学校では教職経験3年を境に減少する。中学校では教職1年目は副担任として勤め、その後学級担任になる。学年団として同じメンバーで学年を持ち上がり、教師同士、教師と子どもの安定した人間関係になることと無関係ではないだろう。
小学校でも同じようにすることは難しいだろう。しかし、教師間の人間関係、教師と子どもの関係がよいものになるようにすることは必要だ。