今年度も教員採用試験のシーズンとなった。これまでに学んだことを存分に発揮して、ぜひ教壇に立つ夢をかなえてもらいたい。身だしなみを軸に試験当日の対策を紹介する。
面接官経験のある校長ら管理職を取材すると内定者ほど服装にもきちんとした気配りがなされているという答えが返ってくることが多い。「シャツやズボンににしわがあったり、袖口が汚かったりすると印象はよくない。だらしがない人物だと思ってしまう」とは面接官の言葉である。面接官はきちんとした身だしなみができているかどうか、しっかり見ている。特に靴には目が行きやすく、汚れていたり、かかとが減っていたりすると気になるそうなので、手入れはきちんとしておこう。種類としては、黒などの革靴が基本的であり、男性はローファーかひものある靴、女性はヒールの高過ぎないパンプスがいい。
受験者の身だしなみのポイントは、若さを感じさせ、控えめで、清潔感があるということ。女性の場合、メークも普段より少し控えめに。特に個性的である必要はない。社会人らしい、教員らしい身だしなみの行き届いた人物、という評価を得たい。
前日には服装を最終チェック。スーツにシワはないか、ワイシャツの襟は汚れていないか。シャツにアイロンをかけたり、靴を磨いたりすると、案外気分が落ち着く。
細かい点としては、「スーツのポケットに物を入れない」「髪は襟あしにかからないように」「先のとがった靴は履かない」「無精ひげはないか」「アクセサリーを外す」など、これらに気を付けたい。
以下に主な留意点を示す。
[髪形]=(男性)髪の長さは基本的に後ろはシャツの襟にかからない、横は耳にかからない、前は目に入らない程度に短くする。(女性)髪形は自由だが、極端に派手な髪形は面接に適さない。お辞儀をした時に後ろの髪まで落ちてくる場合は後ろで束ねるか留めて顔の周りがすっきりとして見えるように。
[髪の色]=多少の染髪であっても軽薄に見られがち。年配の面接官の場合、男女に関係なく染髪自体に良い印象を持っていない場合が多い。
[化粧]=(女性)社会人としてノーメークはNG。ファンデーションとリップは最低限付ける。顔色をよく見せる色付きのリップを選ぶ。ナチュラルメークを心掛ける。
[スーツ]=(男性)色はブラックが多いが、清潔惑のある紺色か知的に見えるチャコールグレー(黒に近いグレー)系もよい。(女性)プラックか、チャコールグレーが一般的。パンツとスカートのどちらでも構わない。自分が落ち着けるスタイルを選ぶ。
[シャツ・ブラウス]=色は男女ともに基本は白。無地の薄い色(ピンク、ブルー、クリーム)であれば、カラーを取り入れてもよい。
[ネクタイ]=(男性)柄も色も派手にならないものを選ぶ。小さな水玉、細いストライズ、淡いペーズリー程度なら問題ない。
前日には、主に次の点をチェックする。
▽履歴書内容を再確認。もう一度、履歴書やエントリーシートのコピーに目を通す。特に志望動機、自己PRで何を書いたか確認する。面接で、履歴書の内容と違ったことを言わないようにするためだ。志望動機や自己PRなどは1分以内で話せるようにしておく。
▽定期入れや財布、筆記用具、受験票など持ち物もチェック。携帯電話の飾りも外す。
▽試験会場を確認し、交通手段、電車の乗り継ぎ、駅の出口、所要時間などをもう一度確認しておく。
▽試験当日、絶対に寝坊しないように、早めに寝る。目覚ましをきちんと設定する。
▽「自分が教師になりたいと決めた理由は何か」「教師になるために勉強してきたことで、自分のどこが成長したのだろうか」などを振り返り、教職への強い意志を確認する。寝る前には、「試験が終わったら何をしようか」などを考えてリラックスする。
▽ニュースをチェックする。新聞、テレビ、ネットいずれでもよい。「今朝のニュースで気になったことはあるか」などと聞かれることがある。ニュース1~2点を押さえて、自分の考え、感想を頭の中でまとめておく。
▽「出掛けるときに、家族から何か声を掛けられたか」という質問もあるので、きちんと覚えておく。
当日は、前日にチェックした清潔な服装に身を包み、明るい気分で試験に臨もう。