採用試験は前倒し傾向ではあるが、やはり今の時期が本番であるケースが多い。1次試験がほぼ終了し2次試験へと歩が進められている。面接試験は1次試験でも実施されているが、2次は面接が軸となるところが少なくない。改めて2次試験における面接のポイントを見てみよう。
面接の形式は、個人面接をはじめ、自己PR、集団面接、集団討論、場面指導、ロールプレー、模擬授業とさまざまなものが行われている。受験する自治体ではどのような面接が行われるか、すでに調べてあると思われるので、その形式の特徴に合った対策を考えておきたい。
集団討論・面接、模擬授業、ロールプレー、場面指導になると、専門的な回答が求められるもの、素早い判断が必要なもの、よく考えないと回答できない質問(テーマ)が多い。「現代の子どもに不足している力は何か。それを補うための方策は」「学級日誌に『死にたい』と書かれていた。どのように対応するか」「生徒を指導しようとしたら反発された。どのように対応するか」などが質問され、集団で討議する。また、国語、算数・数学、音楽、体育などの教科指導、または生徒指導の具体的な場面が設定され、現場での対応を答える(演じる)、などがある。
面接における質問は、まずは、受験者自身に関するものがやはり多い。「ボランティア活動をしてるが、具体的にはどのような活動を。そこから学んだものは」「卒論はなぜそのテーマを」などから、教職を目指した理由、その自治体を受験した理由、その校種を志望した理由などが目立つ。自己PRはかなりの確立でやらされると考えておいた方がよい。志望の動機は、自分なりに整理されており、自分で十分に納得していることが大切である。自信をもってはっきりと答えることが、熱意を示すことにつながる。
一般的な質問としては、「どのような教師になりたいか」「保護者の信頼を得るためにはどうするか」「体力とは」「最近の教育時事で関心のあることは」「教師の使命感とは」「深い学びとは」「どのような学級を作りたいか」などがある。想定される質問として的確に答えられることが求められるので、いま一度改めて答えを考えておこう。
また、「いじめ防止対策推進法の特徴は」「選挙権年齢の引き下げと政治的中立のポイントは」「地方公務員として、やってはいけないことは」など法規関係は、きちんと勉強しておきたいところ。小学校英語教育、道徳の教科化、チーム学校、働き方改革、保護者とのトラブル、危機管理など話題となった教育時事に関する質問も多いので、これらも予想して押さえなくてはならない。
回答に苦慮した、という質問が少なからずある。読者からも、こんな質問をされて回答が難しかった、という報告が毎年寄せられる。
「若い教員が増えているが、そのメリットとデメリットを答えなさい」「朝ごはんを食べずに、ぼろぼろの服装で登校する子どもがいる。保護者にではなく、その子どもにどう指導するか」「あなたのどこが、子どもたちの信頼を得られると思うか」「保護者が勉強は塾でやらせるから、学校は体験的な学習をさせてくれと言ってきた。どう対応するか」「子どもが石でガラスを割った。保護者が石を置いていた学校が悪いといってきた。どう対応するか」など。面接官は素晴らしい回答は求めていない。質問をよく理解し、自分の言葉で話し、自分なりの意見として聞いてもらえるように話すとよい。
各自治体では、その年における面接で重視するポイントを決めている。個人では「コミュニケーション能力があるか」「将来の伸びる素質があるか」、集団では「対人関係」「表現力」「人間的魅力」という具合である。主に人間性や協調性を見ることに重点が置かれている。
次に面接におけるチェックポイントを挙げておく。事前に頭に入れておき注意するか、試験後は自分が適切に行動できたか、を評価してみよう。
〈待ち時間における行動〉
〈面接中の立ち居振る舞い〉
▽着席まで
▽面接中
▽終了時