夏休み中の児童へ昼食提供の動き 川崎・横浜の小学校で本格実施

夏休み中の児童へ昼食提供の動き 川崎・横浜の小学校で本格実施
川崎市で提供される弁当のイメージ(提供:川崎市)
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 夏休み中の児童を預かる小学校の施設で、昼食を提供する動きが相次いでいる。川崎市は昨年度に一部試行したところ好評だったことから、今年度は全小学校で導入することを決めた。また、横浜市も昨年度のモデル実施の結果を踏まえて、565カ所で本格実施する。いずれも子育て世代の負担軽減に向けた取り組みで、昨年度以上の利用が見込まれている。

 川崎市は、放課後や夏休み中などの児童の居場所として、全小学校に「わくわくプラザ」を設置している。保護者アンケートで夏休みの昼食提供を求める声が多かったことから、昨年夏、2カ所で試行的に弁当の提供を実施したところ、7月22日から8月27日までの期間中、延べ約1万6000人が弁当を注文したという。これは施設を利用したのべ約5万人のほぼ32%に当たる。

 その後、同市がわくわくプラザを利用した児童の保護者7100人余りを対象にアンケート調査を行ったところ、弁当の味については「おいしかった」(60.6%)、総合評価は「良かった」(86.2%)などと好評だったことから、今年度は市立小学校115校全校で実施することを決めた。

 提供する弁当は1食600円程度で、保護者から直接、弁当事業者に注文してもらう。同市こども未来局青少年支援室は「保護者の負担軽減につなげたいとの思いで始めた。夏休み中はお弁当をつくらないといけない家庭も多いが、体調が悪いときや仕事のときなどに気軽に利用してほしい」と話している。

横浜市も565カ所で本格実施 注文サイトも

 一方、横浜市も各小学校で、放課後などに児童を預かる放課後キッズクラブや放課後児童クラブ合わせて565カ所で、夏休み中に弁当を提供する。

 同市も保護者からの要望を受けて、昨年度に初めて昼食提供サービスをモデル実施。期間中に1万6109人の児童に、延べ12万3973食が提供されたという。利用者アンケートでは児童の92%が弁当について「おいしかった」と回答、保護者の82%が「昼食提供に満足している」と答え、おおむね好評だった。

 同市はこうした結果も踏まえて今年度はきめ細かいニーズに応えようと、1食400円の弁当のご飯量を200グラムと100グラムから選べる形にしたほか、おかずの品数も3~4品から4~5品に増やした。さらにスマートフォンから気軽に注文できるように専用の注文サイトも開設し、弁当の写真を見て注文できるようにした。

 すでに6月から注文の受け付けを始めており、横浜市こども青少年局放課後児童育成課は「これまでに昨年の夏休み以上のペースで注文が寄せられている。子どもの嗜好(しこう)に合わせて、メニューの充実なども図っていきたい」と話している。

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