ミネルバ大学と都教委が包括連携協定 教員の講座受講なども

ミネルバ大学と都教委が包括連携協定 教員の講座受講なども
ミネルバ大学のマギー学長(左)らと面会した小池都知事=撮影:松井聡美
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 東京都教育委員会は9月8日、「新たな教育のスタイル」の確立に向け、ミネルバ大学および(一社)ミネルバジャパンと包括連携協定を締結した。今後は都立高校生や教員が同学の教授陣のオンライン講座を受講したり、ミネルバ大学の学生が都立高校生の探究活動を支援するなどのプログラムを実施していく。

 都教委は、予測困難な時代に対応できる人材を育成するため、「新たな教育のスタイル」の確立に向け、「DX」「制度」「教員・組織」の観点から学びの在り方を変える「次世代の学びの基盤プロジェクト」を推進している。

 同プロジェクトを推進していくにあたって、都教委は学校外の専門機関との連携を重視しており、今回の連携協定に至った。

 包括連携協定締結式を前に、小池百合子都知事とミネルバ大学関係者が面会。小池都知事は「東京都が持続可能で、包摂的な都市として存在感を発揮するためには、若い世代や子どもたちが世界を相手に挑むこと、そして課題の解決に挑む力を育むことが不可欠だ。ミネルバ大学の理念は、東京都の目指す教育の方向性と深く一致する」と強調。「今後展開される都立高校との具体的な交流プログラムや、共同プロジェクトに期待している」と述べた。

 ミネルバ大学のマイク・マギー学長は「私たちが持っている教授法を秘密にする気は全くない。東京都の先生や生徒たちに、大きなメリットをもたらせることを願っている」と話した。

 今年度は4つの連携事業を予定している。まず1つ目が、ミネルバ大学の教授陣によるオンライン講座「学びの科学」の受講だ。都立高校生400人と教員80人が受講予定で、記憶の定着、モチベーションの維持など、学習の基礎を科学的に理解することを目指す。

 2つ目が、ミネルバ大学の学生が都立高校を訪問し、探究活動を支援する特別講座だ。都立高校生の英語での発表に対する助言や、発表への講評を行って、探究的な学びを深める支援を行う。

 3つ目が多様な国や地域から集まるミネルバ大学生と都立高校生が、文化の交流や進路意識の醸成を目的とし、都立高校や外部会場などで行う交流プログラムで、10月下旬を予定している。

 また、4つ目として、都立高校における「次世代の学びの基盤プロジェクト」の実施における、ミネルバ大学の知見の活用を予定している。

 坂本雅彦教育長は今回の連携について、「都立高校の教育の質を高めるとともに、生徒のグローバルな視野や、主体性を育む貴重な機会となるだけでなく、国際的な教育分野における協力関係が実現できると期待している」と述べた。

 ミネルバジャパンの坂江裕美氏は「都立高校生の皆さんに『学ぶとは何か?』を科学的に捉える体験を提供していきたい。それが『学ぶことは楽しい』と思えるきっかけになればうれしい。大学生と高校生が共に学び、成長していけることが、連携協定の意義だと思っている。皆さんと共に、新しい教育の形を、ここ東京でつくっていきたい」と語った。

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