各学校において教育課程を編成する際の前提となる条件が授業日数と授業時数である。
授業日については、学校教育法施行規則の休業日の規定から導かれる。学期の区分を2学期・3学期のどちらで実施するかによって1年間の授業日数が異なってくる。授業時数については、同規則の別表に示されている各教科等および各学年の標準授業時数が基準となる。さらに、1年間の授業週数については、学習指導要領で年間35週以上(高校は35週を標準)とされている。週当たりの授業時数について小中学校に規定はないが、全日制高等学校においては30単位時間が標準とされている。一単位時間の設定は小・中・高等学校とも各学校で適切に定めることとなっている。
特別活動のうち、小中学校の学級活動については学校教育法施行規則別表によって標準時数が規定されているが、それ以外の児童会(生徒会)活動、クラブ活動(小学校)、学校行事については、各学校の判断で授業時数を充てることとなる。
各教科等の指導を10分から15分程度の短い時間を用いて実施する場合、この教科等の特質を踏まえ指導計画に位置付けて実施できる場合は、この時間を各教科等の年間授業時数に含めることができる。道徳科、外国語活動、学級活動などはその配当時数からして、この仕組みを利用することは適切でない。国語や数学、英語などの教科が想定されるが、10分の時間を組み込むと1日の時間割や週の時間割にも影響をおよぼすとともに、この時間を持続的に担当する指導体制も必要であり、実施に当たっては調整すべき課題がある。
各学校では、以上の条件に基づいて1年間の曜日ごとの授業可能日数を計算し、児童会(生徒会)活動、クラブ活動、学校行事、学校保健や学校安全のための活動の実施日や各教科等の授業時数を設定し、1年間の指導計画を作成する。
文科省が実施している「公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査」によると、最新の2018年度の調査結果では、次のようになっている(18年度計画)。年間の総授業日数は、小学校第5学年で平均203・3日(以下平均値)、中学校第1学年で202・9日、学期の区分において3学期制が小学校で80・4%、中学校で81・2%となっている。年間の総授業時数(特別活動は学級活動のみ)は、小学校第5学年で標準時数が1015時間であるのに対して1061・0時間(平均値)となっている。中学校第1学年では標準時数が1015時間に対して1072・6時間となっている。前者で46時間、後者で57時間程度標準時数を上回って計画されていることが分かる。週当たりの授業時数は小学校第5学年28・8時間、中学校第1学年で29・3時間である。
各学校で設定する学級活動以外の特別活動の時数については、次のとおりである。小学校第5学年で児童会活動14・6時間、クラブ活動11・2時間、学校行事53・2時間、中学校第1学年で生徒会活動11・1時間、学校行事41・4時間となっている。学校行事については、中学校第1学年に比べて小学校第5学年の時数が多いことが分かる。夏期休業中における教育課程内の活動の実施については小学校第5学年の85・1%、中学校第1学年で83・2%の学校が実施していないとの結果となっている。