あなたは目の前の学級の児童生徒をよく知るために、どのようにしますか。
私は教育実習で子供は一人一人違うということを実感しました。まず、日常の学習活動や到達度、学校生活の様子を観察・記録します。個々の子の「なるほど」「おや」と思ったことやつぶやきをメモします。掃除や給食の時間も活動を共にします。話を聞いたり、表情を観察したりするいい機会となります。メモを整理して子供の個人ファイルに記録していきます。1カ月ごとに全員のファイルを読み直して観察の仕方を振り返ります。
また、個々の良い点、努力点や進歩の様子を見逃さず伝えるようにします。良い点はみんなの前で褒めて、改めてほしいことはそっと伝えます。子供との信頼関係を深められると子供たちも心を開いてくれると考えます。
この質問では、方法を問いながら、この人に子供を任せられるかどうかを見極めようとしています。子供を理解しようと努める意欲があるか、子供に寄り添った指導ができるかを見ているのです。この回答は、方法を具体的に示しながら教師の目や心の磨き方にも触れています。
子供一人一人の実態を捉えることに努めます。学校の生活状況で調べたい内容・項目については、調査用紙に記入させたり、直接聞き取りをしたりします。個々の特性や思いを個別に整理し、学級の傾向をつかむ資料にします。学習状況は単元テストや小テストの結果を集計シートに記録します。課題の提出状況や評価も記録します。
また、個人面談の時間や学級懇談会で保護者の考えや意見も参考にします。
児童生徒理解の方法だけではよい指導はできません。この回答は、その方法だけが頭にあり、方法を並べていますが、それも不十分です。
教師として子供を理解しようとする努力や工夫が大切だという気持ちも述べるのです。目の前には毎日教室にきて学習しようとしている子供たちがいます。
その活動の様子を担任の目、耳、心で受け止めます。そして、それを自分はこのように指導に生かそうと考えています、とアピールしたいものです。
元東京都公立学校長・塚田亮