新年度のスタートは、取り組むべき多くの課題があるが、経営的視点で取り上げる。
今年度でいえば、コロナ禍がようやく落ち着きつつあり、それにどう対応していくかということがある。また、自然災害の多発などがあることから、安全がクローズアップされてくる。特に保護者は、児童生徒の安全確保に対する学校の対策に注目している。
年度のスタートにおいて次のことなどを心掛けたい。
(1)緊急性のあるものは直ちに手を付ける
児童生徒の安全に関する学校としての万全な対策を示し、実施しなくてはならない。地震、津波などの自然災害、種々の感染症などを想定したものから、児童生徒の登下校の安全確保、不審者対応など起こり得る災害・事故に対して、学校として改めて防災計画を見直し、その実施を万全なものとしていく。これについては保護者の理解・協力を得る取り組みも進めなければならない。素早やい対応は信頼感を得ることにつながる。
(2)学校・地域の様子を把握し、「知る」「知ってもらう」
学校の教職員としては、自校の様子が分からなければ学級経営の方針も計画も立てようがない。
▽前任者との引き継ぎ事項を吟味・検討する。
前任の学級担任、教科担任などからの引き継ぎ内容をそのままにせず、自身の受け止め、考えに基づき、どう生かすかを考える。吟味、取捨選択をしっかり行う。
▽「積極的に、意識的に「見る、聞く」を心掛ける。
校区を自分の足を使って歩く。歩くことによって児童生徒の通学路をはじめ校区の様子を知ることができる。車で通り過ぎるだけでは、あいさつのやりとりはできない。歩いているからこそできる。子供を大切にする、地域を大切にする教職員の姿勢を伝えたい。
▽先輩・同僚教員と話す。
特に新しく着任した教職員は積極的に話し掛けたい。機会をつくり、話し込み、他の教員の得意分野、姿勢、できれば悩みなども共有できるとおい。この時期だからこそ接近できる機会があれば、それを大切にしたいものである。
一方、例えば初任者の場合、「新しい教員はどんな人なのだろう」と思われることも少なくない。自分自身を知ってもらうことは、関係づくりの最初の一歩である。ぜひ積極的に自己のありのままが、他の教職員、児童生徒、保護者に伝わるよう努力するとよい。
(3)教育活動のスムーズなスタート
新年度がスタートすると校長から経営方針が示される。学校として進むべき方向や取り組むべき事項が見えてくる。前年度からの引き継ぎ内容を踏まえ、準備された計画に従って、いつまでに何をするか見通しと考えを持ってスタートしたい。