合格に向けー課題を説く⑥授業力の向上 学校全体として取り組む

合格に向けー課題を説く⑥授業力の向上 学校全体として取り組む
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教師力の中心

 学校教育について多様な調査が行われているが、いずれの調査でも「学校に対して望むことは何か」の問いに対して、質の高い、児童生徒にしっかりとした学力を付ける授業をしてほしいと大部分の者が回答している。

 学力については、基礎的知識・技能を踏まえた活用能力が求められているのは承知の通りである。教員の資質・能力を高めて、児童生徒の興味・関心を引き出し、知識・技能を高め、それらを活用する力を育てることが学校に科せられた基本的な使命であろう。これを達成するための方針・方策を学校経営に的確に位置付けられるかが経営の善し悪しを左右することとなろう。その中心課題となるのが、「教員の授業力の向上」といえる。各校種とも新学習指導要領の完全実施の時期にあたり、その趣旨に沿った授業をどのように展開するのか、「児童生徒の力を育てる要は授業」とも言え、もう一度授業力を向上するためにどうしたらよいか考えてみたい。

「授業力」の具体を示す

 いろいろな意見があるが、授業力とは、「生きる力の育成をめざし、各教科等のねらいに即した授業を構成し、展開できる力」と言ってよいであろう。

 具体的に、そのいくつかを挙げる。

 ▽単元の狙いや児童生徒の実態を正確に把握・理解する力(現状や背景の理解、個々の知識・理解・興味関心などを把握する力)

 ▽指導の狙いと児童生徒の実態に適した教材を吟味する力

 ▽児童生徒に楽しく、分かりやすい授業にするための構成力と指導力(資料・機器や地域 人材の効果的な活用、学習形態・発問・板書の工夫、授業の流れなどを工夫する力など)

 ▽児童生徒一人一人の学習に手立てを講ずることができ、お互いに学習を通し高め合う学級集団を作り出す力

学校全体として授業重視を

 各校にはそれぞれ学校経営方針があり、その中に、教師像、例えば「意欲・関心を引き出す授業を工夫する教師」「児童生徒や同僚の意見を聞き、積極的に授業改善に取り組む教師」などを示し、教師の仕事の中で一番大切なものは授業であり、これこそ児童生徒の学校生活の中心であることを教師全員が意識しなくてはならない。

 校長、副校長、教頭など管理職は、授業重視の方針を全職員に伝えることが求められる。学校全体として、個々の教師の研修への意欲付け、校内研修を中心的に進めるリーダーの育成などに取り掛からなくてはならない。これには、校長ら管理職の意図的働き掛け、「問い掛ける」「説明を求める」「解答を求める」などをリーダー要員に行うことがポイントとなるだろう。授業力の向上を目指すリーダーの存在が重要なのである。 

 こうしたリードが自校の課題に真剣に取り組むことが全体化し、「切磋琢磨する研修」そして質の高い校内研修へ発展していく。 管理職には、「授業力向上」のための方策を次々に考えていくことが求められる。

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