いよいよ2024年度教員採用試験の本番直前である。もう準備は万端であろうか。最後の最後まで合格に向けて努力する姿勢が大切である。最後には何に取り組んだらよいのか、どのような準備をしたらよいのか、直前の取り組みを見てみよう。本番では、十分に力を発揮してもらいたい。
とにかく不得意分野の克服に力を入れたい。合格者の体験談を聞くと、問題集を「これ1冊」と決めて集中的に取り組んだことが効果的だった、ということである。また、自分の苦手なところをノートにまとめて、試験2~3日前にそれを見て確認するという手法も効果的である。
最近は時事問題の比率を高める自治体が多くなってきている。これから時事を幅広く押さえるのは難しいので、絞って対応した方がいいだろう。
特にキーワードはしっかりと押さえておこう。
やはり今回の試験では、令和の日本型学校教育、教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、生徒指導提要の改訂、第4期教育振興基本計画、SDGs・持続可能な社会の担い手の育成、ブラック校則、LGBTQへの対応、ヤングケアラー支援などを確実に押さえておいた方がいいだろう。
この程度は簡潔に解説ができ、そしてそれに対する自分の考え(実践するとしたら、どのように取り組むかなど)を述べることができるようにしておきたい。
ネットなどで調べて、ノートにまとめておき、特に重要なものは丸暗記しておく。合わせて学習指導要領の教科の「目標」「各学年の目標及び内容」も適宜暗記しておきたい。丸暗記は、「音読」を繰り返すと効果が大きい。
受験する自治体の論作文試験の制限時間、制限字数に合わせて、繰り返し書く練習をしよう。「字数1000字・制限時間1時間」なら、時間を計り、それに合わせて書いていく。そして、受験仲間、大学の教官、教育実習でお世話になった指導教官、臨時採用で勤務している学校の先輩教師など多くの人に見てもらおう。
本論で書く内容をあらかじめまとめておくとよい。学習指導、生徒指導などいくつかのパターンに分け、そこに盛り込みたい自分の体験などをまとめておくと本番で便利だ。
面接も受験する自治体の面接試験方法に合わせた練習が効果的だ。個人面接だけではなく、集団討論、場面指導、模擬授業など、実際の試験で行われる面接スタイルで練習を繰り返したい。
これも受験仲間と協力しての練習が最も効果的だ。受験者、面接官、そして客観的に見る第三者の役割分担をして取り組み、受験者の回答、態度で気になった点は遠慮せずにどんどんアドバイスしていこう。
面接はとにかく練習しかない。「試験直前は1日10時間ぐらい面接練習をした」という合格者もいる。
入室してから着席するまでの面接マナーも最終チェックとしてはかなり有効だ。ドアを開けた時の姿勢、入室時の目線(面接官に向ける)、入室後立ち姿、お辞儀の仕方、歩くときの歩幅と歩く姿(前傾、猫背、ふらつき、引きずりなどないか)、着席前のあいさつ、椅子の座り方、座っているときの足の位置などをチェックしよう。これらがきちんとできるだけで面接の高得点が期待できる。
出願書類に記載した事項の最終チェックも忘れてはいけないことだ。ここの記載事項については面接で必ず聞かれると思ってよい。志望動機、特技・資格、卒論のテーマ、学生時代に頑張ったこと、ボランティア体験から得たもの、教育実習で得たもの、自己PRなどエントリーシートに記載した内容について質問された場合、すぐに答えられるようにしておくことが大事だ。
最も重要なことは、心身ともベストコンディションで試験当日を迎えることである。力が発揮できるよう体調管理をしっかりと行おう。
本番直前に取り組むこと
○教育時事=最近までの重要時事を総まとめする。キーワードを絞って勉強する。
○教職・一般・専門教養=総まとめを行い、不得意分野を克服するようにする。1冊の問題集に繰り返し取り組む。
○論作文=受験をする自治体の試験時間に合わせて書く練習をする。大学の教官、臨時採用での勤務校の先輩教師に見てもらおう。
○面接=志望者仲間と練習を繰り返す。模擬授業や場面指導を想定して練習する。教育実習先でも指導教官に見てもらおう。
○実技=短期間に集中して練習しよう。
これだけは押さえたい教育時事
▽令和の日本型学校教育
・個別最適な学び・協働的な学び
・ICTの活用
▽第4期教育振興基本計画
▽生徒指導提要改訂
▽SDGs・持続可能な社会の担い手の育成
▽ヤングケアラー問題
▽いじめ・不登校・暴力行為・自殺予防
▽ブラック校則
▽LGBTQへの対応
▽教育デジタルトランスフォーメーション(DX)