すぐに役立つ○回答 答えのポイントを考える コツをつかんで対応

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 多くの自治体は1次試験が終わり、受験者は2次試験に向けての対策に追われているだろう。2次試験の内容は、主に面接などを軸に行われることが多い。試験にすぐに役立つものとして、本紙連載中の「面接の○回答×回答―合格の成否を分かつ決め手」から、模範回答をダイジェストで紹介する。○回答とそのコメントを見て、回答のコツをつかめば、実際の面接でも慌てずに自分のペースで対応できるだろう。

1分程度にまとめる練習を

質問1 教職への熱意を語ってください

○回答

 私が教師として、最も重視したいことは授業です。新しい発見を期待して来る目の前の子供に、感動体験をさせられる授業づくりの努力をします。超えるべきハードルを子供に見えるようにします。そして、できた喜びを共にし、次の課題に挑戦させます。

 次に、その子なりの「まだ」と「もう」を明確にし、活動の場の工夫をします。そこに学習内容や自分への新たな気付きがあり、感動が次への「やる気」につながると考えています。先輩の教師や子供に学ぶプロの教師を目指します。

[ポイント]

 目指す教師像をもとにして、授業づくりについて分かりやすく考えをまとめています。何をもとに話すのか、焦点化した話ができるように準備しておきます。自己PRの準備では、自分の経験や体験、自分の長所や性格が教師に向いているところ、目指す教師像などについて、1分程度にまとめるトレーニングが重要です。

学び続けようとする気概を

質問2 「教師の使命感」が強調されていますが、あなたが考える「教師の使命感」とはどのようなものですか。

○回答

 教える内容や技術を磨き続ける気概と学ぶ側に立って子供を見つめ続ける気概です。

 まず、教えることを知り、技術を磨くことについて申し上げます。道を聞かれたとき、目的地までの道順を知らなければ教えられません。私は、道を知らない子供たちに目的地を示し、どのような方法で到達するのか選ばせ、支援する技術を磨く努力を続けます。

 さらに、教えたつもりでも本当に分かっているかどうか、個々に分かり方に違いがあるので確認します。一人一人の子供の実態を押さえた学ぶ側に立つ努力を続けます。このように子供とともに教師として成長しようとする意欲や気概が私の考える教師の使命感です。

[ポイント]

 とても力強い答えです。「進みつつある教師のみ人を教える権利あり」と言われる。使命感や教師像の問題は、あなたの生き方を問うていると考えてよいでしょう。学び続けようとする気概を、自分らしい表現で伝えられるようにしておくといいです。これは面接だけでなく、論文作成上でも重要です。教師を目指す基本理念として、確かな考えを持って臨むことです。

高い倫理観と情熱を示す

質問3 教師が起こす不祥事について、どう思いますか。

○回答

 児童生徒にとって教師の存在は、時として憧れであったり、ある時は尊敬の対象になったりと大きな影響力を持っています。教師に不断の研さんが求められるゆえんが、そこにあります。その観点から教師の不祥事は許されません。

 教師の不祥事にはさまざまなことが挙げられます。例えば、体罰、酒気帯びや酒酔いなどの交通法規違反、同僚、児童生徒、PTAに対するセクシュアル、同僚へのパワーハラスメント、不適切メール、情報漏えいなどです。このうちのどれ一つを起こしても児童生徒、保護者の信頼を損なってしまいます。結果として、校務運営に重大な支障を来たします。

 教育は、人間が人間として人間らしく生きていく力を体得させる営みで、教師は学校教育における担い手です。児童生徒はもちろんのこと、保護者の信頼がなければ成り立たないと考えます。

[ポイント]

 数多い教師の不祥事の処分例が押さえられています。その上で、教師には、高い倫理観と教育に対する熱い情熱をもった人材が求められてきたことの自覚に好感が来てます。

 さらに、児童生徒の憧れや尊敬の対象となる教師には、それにふさわしい力量、児童生徒、保護者の信頼の重要性にも触れています。教員の不祥事に関しては、身分上の義務として信用失墜行為の禁止(地方公務員法第33条)があります。

凝集性と生産性を打ち出す

質問4 クラスを受け持ったとき、学級目標は何にしますか。

○回答

 「よく考え、互いに協力し、よりよくしよう」を学級で話し合って目標にし、実行できる学級を目指します。それは、今よりもよくする方法を考えようとする、前向きな向上心を学級づくりの柱にしたいからです。

 次に、とにかく学級内の人間関係をうまくつくることができない今の子供たちに、人と関わる活動を通して、助け合いや支え合いの大切さや心地よさを体験させたいと考えました。

 このように、よい学級づくりには、学級として目標に向かって協力する力と、実践できる力の向上が特に重要だと考えます。

[ポイント]

 この問題は、学級づくりについてどのような考えを来っているのかを問うています。この回答のように、学級としてまとまる凝集性と、よりよいものを求める生産性は、よい学級づくりのポイントです。

 さらにこれとつなげて、学習指導や生徒指導についても、自分の考えをまとめておくといいです。

希望には根拠を示す

質問5 新任で学級担任を持つならどの学年からスタートしたいですか

○回答

 与えられた学年を全力で頑張ります。もし許されるなら、中学年だとうれしいです。行動的で活動を通して考える子供たちに引かれます。教育実習も4年生の学級でした。子供らしい発想での問題解決やその子らしい表現の発表がとても印象的です。

 私は、子供と共に汗をかき、笑ったり悩んだりして、学級経営をしたいと考えています。3・4年生の学級で心の通い合う学級づくりを学びたいと考えます。

[ポイント]

 謙虚な中に新任としてこれからの抱負が述べられています。自信と力強さが伝わってきます。この手の質問は、勘違いすると回答がピント外れになりやすいので気を付なくてはいけません。学年は回答のきっかけをつくってくれていると考えた方がいいでしょう。学年を聞いているのではなく、むしろ答えた学年の根拠やその心構えに重点を置いた答え方が求められているのです。

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