授業に集中できない学級を担任することになりました。あなたはどのようにして学級を立て直しますか。
朝の会での学習の準備体操から始めます。曜日を決めて、歌や子供たちのスピーチ、読み聞かせから始めます。さて、これからの授業です。毎時間の到達点を示して始めます。教材提示の仕方や活動場面の工夫をして、自力解決の場にします。
「おやっ、なぜ」と興味関心を持たせ、やってみようという探求心に揺さぶりを掛けます。できた喜びの体験は、学級の雰囲気を変えて集中できるようにさせると考えています。さらに、終わりの会を1日の活動の振り返りの場にします。
私は、自らよくなろうという子供の気持ちを生かして立て直します。
この質問はこの学級の状態の受け止め方から、教師としての資質を見ようとしています。この回答は子供たちの気持ちを知り、その気持ちを引き出して学級の雰囲気を変えようとしています。
この例のように、授業の中でどのようにして達成感を実感させるか、具体策を持って臨むことが必要です。
私は、一部の落ち着きのない子供によって、学級全体が集中できない状態になっているのではないかと思います。そこで、学習のルールを作って守らせるようにします。優しい面と時には厳しい面を見せて守らせるようにします。
終わりの会にはその日の反省をして、よく頑張った人やグループを褒めてあげます。それでも集中できない子には個別に指導します。各人の目標を決めて少しずつよくなるように指導します。また、養護の先生や他の先生にも子供の様子を見てもらいながら、集中して学習できるようにします。
この回答は、集中できない原因が子供にあるとして、指導力の問題とは考えていない例です。さらに力で抑えようと考えています。なぜ集中できないのか。この状態は子供たちのどんな意思表示なのか。もっと子供の見方を変え、子供の側に立った解決策を考えるのです。子供たちは毎日重いかばんを背負って教室にやってきて、先生が来るのを待っているのです。教師にはそれに応えられるだけの授業力が求められています。
元東京都公立学校長・塚田亮