教師の仕事は忙しいといわれていますが、その中で教材研究をどのようにしていこうと考えていますか。
まず、教科や単元を絞って教材研究をします。そこで学んだ内容は他教科にも生かせると考えるからです。
学校でないとできない教材づくりに放課後の時間を活用します。そのために前もって家や通勤時間中にネットや研究誌で情報収集をしておきます。単元や授業の狙いをしっかり捉え、教材の価値や使い方・生かし方を考えて準備します。一人で全部をするには時間がかかりますので、学校では同学年や同じ研究教科の先輩に協力や助言を求めて行います。
さらに、長期休業中の時間を教材研究の充電期間とします。校外の研究会にも参加して研究方法を学びます。
この質問は教材研究の仕方を問うていますが、その対応の仕方から、回答者が問題に直面した時の姿勢を見ようとしています。
この回答は、限られた時間を有効に使おうとして事前に準備しています。研究の視点を明確に捉え、計画的に進めようとしている点もいいです。また、自分一人で抱え込まないで同学年や先輩の助言を受けて進めようとしている点も高い評価を得られます。
私は少ない時間を授業の準備に使います。教科書や指導書を読んでそこで扱われている教材で必要なものを調べます。また、その学校にある教材で使えるものを調べてそれを利用します。個々の児童生徒に必要なものは、市販の教材を購入することにします。自分で作るより時間も節約でき、操作しやすいものが行き渡るからです。
少ない時間を授業の準備に使うという視点はいいのですが、一番聞きたい準備の方法に工夫や意欲が感じられません。
この回答をよくするには、自分の専門や得意な教科の学年や単元をイメージします。さらに、その授業の準備をどのように進めるのかを述べます。例えば、一単位時間の教材づくりをどのように進めるのかを考えます。目標、展開、学習形態とその教材づくり、使い方をどうするかを述べるのです。
元東京都公立学校長・塚田亮