【働き方改革のキーパーソン(2)】働き方改革答申と事務職員

【働き方改革のキーパーソン(2)】働き方改革答申と事務職員
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 2017年6月、松野博一文科相(当時)は中教審に「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」諮問し、学校の働き方改革はクランクインした。その答申が19年1月に示されている。

 まず、最重要ポイントは「管理職が学校運営の責任者としてリーダーシップを発揮しつつ(中略)主幹教諭、指導教諭、事務職員等のミドルリーダーがそれぞれのリーダーシップを発揮」すべきと示した部分だろう。そう、学校組織の中で事務職員をミドルリーダーに位置付けたのだ。さらに、教育委員会に「事務職員の校務運営への参画」を推進するよう求めている。具体的には「総務・財務等に通じる専門職」としてリーダーシップを発揮することが期待されている。また、基本的に一人職である事務職員には、法制化された「共同学校事務室」の活用により、経験年数によらない職務内容の平準化、高いレベルでの均一化を求めている。

 管理職との関係については「学校運営事務に関する専門性を生かしつつ、より広い視点に立って、学校運営について副校長・教頭とともに校長を補佐する役割を果たすこと」が期待され、別枠として事務長には「権限と責任」という高い価値も与えている。

 以上を踏まえて、担うべき具体的な仕事も提案している。例えば、学校徴収金の業務は「学校以外が担うべき業務」ではあるが、学校が担う場合は「事務職員等に業務移譲すべき」とある。他にも、地域との連絡調整窓口は「主幹教諭や事務職員等が地域連携担当」となることや、調査回答業務は「教師の専門性に深く関わるもの以外については事務職員等が中心」になって担うこと、学校行事や進路指導についても事務職員が関わっていくべき部分があるとしている。

 最後にもう一つ挙げておこう。「学校の事務職員がスクールソーシャルワーカーに期待される福祉機関との連携等の業務を担うこと」、つまり、学校におけるソーシャルワークへの参画に期待が寄せられているのだ。この部分は、わたし自身もシンパシーを強く感じている。

 答申を事務職員の視点から読み直せば、事務職員がまぶしく輝いて「胸いっぱい、お腹いっぱい、仕事いっぱい」だが、次回は中教審答申をさらにさかのぼり、この答申に至った経緯に迫ってみたい。

 次回もサングラスはお忘れなく!

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