【自己肯定感を育む11の方法(5)】楽観的なものの見方が身に付いているか

【自己肯定感を育む11の方法(5)】楽観的なものの見方が身に付いているか
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何かにつけて物事を悲観的に受け止める心理傾向を持つ子がいる。授業中に先生に指名されたとき、ボーッとしていてうまく答えられないと、ひどく落ち込む。友達から嫌なことを言われると「きっと嫌われているんだ」と思い、落ち込む。試験で悪い点を取ると「自分は頭が悪いんだ」と自己嫌悪に陥り、落ち込む――。このような心理傾向を持つ子どもは、なかなか自己を肯定することができない。何か失敗したり、嫌なことがあったりすると「自分は駄目だ」「どうせ自分は(嫌われている、頭が悪い)」などと自己否定してしまう。ポジティブ心理学を提唱したマーティン・セリグマンによれば、楽観的なものの見方をする者は、悲観的なものの見方をする者よりも、勉強や仕事の成績がよく、うつになりにくい。また感染症などの病気になりにくく(心理的要因により免疫力が高いため)、寿命も長い。それは素晴らしい発見だが、楽観的なものの見方は、自己肯定感を育むためにも必須の要素といえる。先の例で言えば、授業中に先生から指名されてうまく答えられなくても、楽観的な子なら「ちゃんと聴くようにしなくちゃ」と反省はするが、特に落ち込まない。友達から嫌なことを言われても「なんか感じ悪いな、虫の居どころが悪いのかな」と思うくらいで、嫌われているとまでは思わないため、落ち込むこともない。試験で悪い点を取っても「これじゃ駄目だな。もっと勉強しなくちゃ」と反省し、次はもっと頑張ろうと思いはしても、自己嫌悪で落ち込むようなことにはならない。こうしてみると、自己肯定感を育むには、楽観的な認知の枠組みを植え付けてあげるような働き掛けが必要だと分かる。失敗を悔やみ落ち込むのでなく、次は失敗しないように頑張ろうと思うなど、失敗を次に生かすように促す。友達から嫌なことを言われて落ち込むのではなく、相手にもいろいろ事情があり、心理状態も揺れ動いているのだと、相手の要因に目を向けるように促す。そんな声掛けをすることが大切である。試験で失敗した子が自己否定して落ち込むのは「自分は頭が悪い」と思うからである。準備が不足していたと思えば、そこまで落ち込むことはないし、「よし、次こそちゃんと準備するぞ」と前向きにもなれる。受け止め方次第なのだ。楽観的なものの見方が身に付いてくれば、自己肯定感が自然に高まり、否定的な出来事にいちいち傷つき落ち込むこともなくなるだろう。

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