【片付けから始める学校の働き方改革(7)】ごみの扱い方を考える

【片付けから始める学校の働き方改革(7)】ごみの扱い方を考える
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 ごみを捨てるという行為は、日常の中で当たり前に行われている。例えば家の中。人は、しばしば丸めたティッシュをごみ箱に投げる。結局立ち上がり、遠くに転がったそれを拾ってごみ箱に入れる。決められた日になると袋にまとめ、妻とジャンケンをし、集積場所まで出しに行く。

 家の中なら鮮明に想像できるのだが、学校の断捨離でごみを出すとなると、途端に何をどうしていいのか分からなくなる。そこで今回は、学校現場で出るごみの扱い方について説明する。

 最初に行うのは不用品置き場の確保。ごみは、「ごみ箱」がないと捨てることができない。学校で出た可燃ごみの袋を置けるようなごみ収集倉庫はあるか、一度確認しよう。粗大ごみはどうだろうか。恐らくほとんどの学校には、廃棄予定の壊れた棚を一時保管しておく場所がない。その結果、手放したくてもそのまま放置してしまう。そこで、空き教室など「ごみ箱」の役割をする不用品置き場を作ってから始めよう。

 片付けによって出た棚やビデオデッキなどの粗大ごみは、不用品置き場に溜めていく。よく見るとまだ使えそうな棚は、校内の古い棚と取り替え、できる限りリユースする。既にあるモノを有効活用すると、低予算でアップデートができる。不用になった粗大ごみは、業者に頼んで夏休みにトラックで持っていってもらおう。

 注意が必要なのは備品。備品とは2万円以上のモノを指す。所有する備品は通常、備品小票と呼ばれるシールを貼って財務会計総合システムで管理される。原則捨てない方がいいモノだが、それでも廃棄が必要な場合は必ず学校事務職員の人に確認しよう。

 一方で2万円未満のモノは消耗品と言われる。学校にあるほとんどのモノはこれに分類されるため、壊れたり使い切ったりして必要がなくなれば、比較的自由に捨てられる。(なお、備品と消耗品の定義は自治体によって異なる。)

同じ実物投影機だが、左は消耗品で、右は備品
同じ実物投影機だが、左は消耗品で、右は備品

 個人情報も注意が必要だ。児童生徒の名前や顔写真、成績などはシュレッダーにかけるか、まとめて溶解処理をしてくれる業者に回収してもらうようにしよう。それ以外のモノはリサイクルボックスへ入れればOKだ。

 以上のポイントを踏まえながら、学校で出るごみの扱い方をイメージして断捨離を進めよう。特に、ごみ袋やトラックでの不用品回収に関しては事前に予算が必要なため、学校事務職員の人と連携して行うようにする。一人の力では限界があるが、先生たちの力が合わされば驚くほど早いスピードで学校は変わっていく。

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