【学びの手段は、多い方が面白い(9)】子供たちの創造力を育む授業

【学びの手段は、多い方が面白い(9)】子供たちの創造力を育む授業
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 前回まで休校中や分散登校中のオンライン学習について述べてきたが、ようやく本校でも6月8日から通常登校ができるようになった。子供たちの元気な笑顔を見ることができるのはとてもうれしいが、課題が山積している。まずは、学園生の健康をどのように守るかである。

 3密状態を避けるため、本校では全校集会の開催をやめ、理科室や音楽室、図書室など共用する場所の利用も6月26日まで不可とした。校舎内は1日に何度も消毒し、感染予防に努めた。

 学習面では、休校中に出した課題の丸付けをどうするかが課題であった。子供たちが一生懸命がんばったものを丁寧に見てあげたいが、それをやっていると、これからやらねばならない大切な授業に支障が出る。そのため、学校便りで保護者に対して事情を説明し、「ごめんなさい。休校中の課題を丁寧に見ることはできません」と伝えた。保護者からも異論がなかったため、教師は遅れてしまった授業に集中することができた。

 休校中、オンライン学習を行ってはいたものの、家庭学習が進んでいない子供もいたため、確認のための最初からの学習も行った。そのため、授業の進度が昨年度よりも大幅に遅れ、先生方はデジタル教科書を使いながら授業をこなすのが精一杯であった。そんな折、つくば市の森田充教育長から教師に向けてメッセージが送られてきた。

 「せっかく子供たちが楽しみにしている学校が再開されたのだから、教えるだけの授業ではなく、子供が主体的に取り組むワクワクする学びにしましょう。」

 この言葉に、私たちははっとさせられた。いくら教科書が終わったとしても、子供たちの学力として定着してなければ何の意味もない。それどころか、学習が嫌いになってしまう可能性もある。

プログラミング学習でロボットを動かす
プログラミング学習でロボットを動かす

 そこで本校では、7時間授業にして授業時数を確保しつつ、問題解決型の学習やプログラミング学習など主体的な学習を取り入れながら授業を進めることとした。あるクラスの音楽の授業では、歌を歌ったり、リコーダーを吹けなかったりするため、Scratchを使って作曲づくりを行った。

 また、本校では日頃からSDGsを実践しているため、「プログラミングで地球を救おう」をテーマに、各自が追究したい課題に応じたプログラミング学習も実施している。このように本校では、コロナ禍でいろいろなことが制限される中、それぞれの教師がICTを活用しながら、子供たちの創造力を育む授業を実践していった。

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