初めまして、オダギリ展子です。私は「事務効率化コンサルタント」という肩書で、業務の効率化やデスク周りの整理術などをテーマに執筆や講演などを行っています。
この業務の効率化は、私のかつての勤め先である特許事務所で習得した「ミスを未然に防ぐことができれば(それをリカバーするための無駄な時間が発生しないので)、業務が効率的になる」という考えに基づくものです。
執筆では、最新刊に『スクールステーショナリーガイドBOOK』(学事出版)があるのですが、この本は業務の効率化はもちろん、教育現場での「働き方改革」をサポートできるツールとして、文具に焦点を当てた指南書となっています。
本連載では、同書の内容を基にして、皆さんの働き方改革を後押しできるように、その選び方・使い方を「選ぶ際の着眼点別」にご紹介します。そうは言っても、「文具で働き方改革までできるかな?」「無理だよ~」などという声が聞こえてきそうなので、ここで私から一つ質問です。
今、皆さんがお使いのホチキスの針の処理の仕方は、図1の右か左のどちらでしょうか?
私が推奨しているのは、とじた針の裏側が平らに打ち曲げられる「フラットクリンチタイプ」(図1の右)です。なぜなら、一般的なとじ方(図1の左)でとじた書類を何部も重ねると、とじた部分の厚みが増して書類にスロープができてしまいますが、フラットクリンチタイプだと、この厚みが最大25%抑えられるからです。
そして、これにより、以下のメリットが発生します。
①単純計算で、収納に100冊ファイルが必要だったのが75冊で済む
②新規ファイル作成時の手間を25%削減(ファイルの手配やタイトルの記入など)
③ファイルの保管場所の省スペース化
④必要なファイルや書類を探す際の手間の削減
⑤保管料の節約(書類の保管に倉庫などを借りている場合)
※針の留め位置をファイリングに問題ない範囲で分散させて、厚みが1カ所に集中しないようにするとさらに効果的です。
また、職場では、とじ枚数の多い際に使う大き目のホチキスは、各人の机から少し離れた所にまとめて置かれることが多く、厚い書類をとじるときは、その都度離席せざるを得ません。
けれども、マックス社(※フラットクリンチタイプのホチキスを世界で初めて開発)のラインナップでは、小型ならPPC用紙(一般的なコピー用紙)40枚まで、中型なら同80枚まで針を替えずにとじられるので、この作業が自席で可能となり、置き場所までの往復時間や労力までをも削減できるのです。
こんなに小さな針の先だけでもこれだけの効果があるのですから、他の文具で働き方改革ができても不思議はないでしょう。
では、これからしばらくお付き合いのほど、よろしくお願い致します。
【プロフィール】
オダギリ展子(おだぎり・のぶこ)特許および貿易事務の業務に携わり、事務業務のリスクヘッジや効率化のノウハウを身に付ける。その結果、過去の担当者の月100 時間を超える残業をゼロにした。主な著書に『働くあなたにピッタリのモノが見つかる! スクールステーショナリーガイド BOOK』(学事出版)、『事務ミスがない人の図解整理術〔書類・メモ・データ〕』、『デスクワーク整理術』(以上、三笠書房)、『仕事がはかどる デスクワーク&整理術のルールとマナー』(日本実業出版社)、『仕事が10倍速くなる事務効率アップ術』(フォレスト出版)などがある。