【「頼るスキル」の磨き方(8)】具体的な「頼るスキル」の3ステップ

【「頼るスキル」の磨き方(8)】具体的な「頼るスキル」の3ステップ
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 この時代に受援力を磨くためのトレーニングをするにはどうしたらよいのでしょうか。頼られた人が「人の役に立った」という喜びを引き出すような頼り方、いわゆる「受援力スキル」とはどのようなものなのでしょうか。

 実際に受援力を発揮するポイントは大きく3つ、相手に「敬意(K)」「承認(S)」「感謝(K)」を示しながら頼ることです。「KSK」と頭文字の語呂合わせで覚えておくと、とっさのときにも役立ちます。

①尊敬・敬意を示す

 「あなただから、相談したい」と個人への敬意を示します。ここで大切なのは、「今、いいですか?」と相手の都合にも配慮することです。頼りたいと思う相手は信頼のできる人なので、忙しいに決まっています。「それでも、あなたに聞いてほしいのです」という気持ちを示します。

②相手の存在を承認する

 相談する前に「聞いてくれてうれしい」「手を止めてくれてありがとう」「助かります」と相手の存在を承認します。そうすることで、相手の心が満たされます。

③感謝と喜びを伝える

 相談を終えたら、相手から良い助言をもらえたかどうかにかかわらず、可能な限り感謝と喜びを伝えましょう。悩み事が解決したかどうかは関係ありません。自分の相談を聞いてもらえた、そのことだけでもありがたいという気持ちを示すことが大事です。私はこれを「ありがとうのサンドイッチ」と呼んでいます。質問でも愚痴でも問い合わせでも、必ず「感謝+相談+感謝」と、相談を感謝の言葉で挟むようにします。

 以上の3つのポイントを使って、お互いに頼み合う「受援力ゲーム」を、小学校から高齢者施設までさまざまなところで実施する機会がありました。ゲーム後「こちらから相談してみた時、どんな気持ちでしたか?」と聞いてみると、「恥ずかしかった」「ためらいがあった」などの声がある一方で、「言っただけですっきりした」「聞いてもらえてよかった」という感想も多く聞かれました。

 一方、「相手に頼ってもらった時、どんな気持ちでしたか?」と聞いてみると、老若男女を問わず、「うれしかった」「私でも何かできることがあるのかな?という気持ちになった」などと喜びの声を数多く聞くことができました。

 多くの人たちが頼ることの難しさを感じている世の中において、こうしたゲームを通じ、助けられたときにどういう気持ちになるかを知り、人を助けるとうれしくなることを体験すると、相手に頼ることへの心理的ハードルが下がり、上手に頼ることができるようになります。

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